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2016.06.03

私の好きなハンカチ episode-11

一番好きなとっておきのハンカチ、つかいかた、思い出など、ハンカチにまつわることを、H TOKYO/swimmieに関わる周辺のひとに、お伺いしていきます。

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11人目はイラストレーターの村田善子さんです。
村田さんは6年前からH TOKYOのハンカチを
一緒に作ってくださっている作家さんです。
独特で面白い村田さんの作品が生まれるその発想のひみつや
ハンカチガールとして育った村田家のことなどをお話しいただきました。

yoshiko01

—今日持ってきてくれたハンカチの好きなところとオススメのポイントを教えてください。
これは真夏にハンカチを忘れてしまって、急遽キオスクで 買ったものです。
「もうこれでいいや!」と思って買ったのですが意外とこのガーゼ感が心地良くて
必要に迫られて仕方なく買った割には、かなり使っています。
どこのメーカーかも分からないですし、ジャーン!と人に見せる
ハンカチでもないのでいま皆さんに見せていることも、お恥ずかしいです〜 笑
こっそり忍ばせて持ってる、ナイショのハンカチ。という感じですね。
タオルケットをつかんでると安心する幼子の気分に近いですかね。

YSK02

—こちらは村田さんと一緒に作らせていただいたハンカチですね。
はい。たくさん作らせていただいたのですが 中でもこの女湯を持ってきました。

—でもなぜ女湯を描いたんですか?
なんででしょう 笑
自由なテーマで描かせてもらったので、
その時の描きたいものだったのだと思います。
それまでもシリーズで『女湯』は描いていて、
一度ハンカチにも登場させてみたいと思いました。

YSK01

—村田さんのハンカチは広げる楽しさがありますよね。
広げてもらいたい願望は確かにあります。
畳んだら絵のこの一部分が切り取られてハンカチの顔になるんだなっという
偶然性も楽しいと思います。折り方次第ですね。

—その他も、ラーメンの絵柄や、ハンカチの絵柄にあえて
ハンカチ柄を登場させるなど アイデアも素敵ですね。
何種類も自由に作らせてもらったからこそできたのだと思っています。
初回は6柄くらい作らせてもらいましたが 1〜2枚って言われていたら
固くなっちゃって「ハンカチとは・・・」とかって
考えすぎちゃったんじゃないかなと思うのですが
「こんなに沢山作っていいなら、遊んじゃえ!」みたいな吹っ切った感じでした 笑

—ラーメンはお客様もびっくりしてます。こぼれてる!って 笑
ラーメンはこぼれ落ちてるっていうより 実は波のようなイメージなんです。
「波!きたー!」っていう・・ 笑
自分でもなぜそう思ったのかはわからないんですけど。
※ラーメンハンカチ

—ちなみにこのポーズする人はどんな風に発想しているんですか?
できそうでギリギリできないくらいのポーズを攻めてるんです。
「これは絶対できないでしょ?!」と。
ポーズする人ハンカチ

—そう言った発想はどこから生まれてくるんですか?
生活の中で自然にしみ込んだ描きたいイメージの
『欲』みたいのが、私の中にいくつかあって、そっから引っ張り出して、
それを広げていくみたいな感じです。
パンツを描いたのは 突如友人が、こういうパンツを大きくどーんと描いたら
善子らしさがでて面白いんじゃない?って
ナイスアドバイスをくれて、それで素直に描いてみました。
おおらかな白色ハンカチ

—こちらは女性らしいハンカチですね。
お母さんのハンカチってこんなだったなって。なんか憧れがあったんです。
もらったものかもはや覚えていもいないんです。
使わないけれど、好きなハンカチと言う感じです。
こないだ大量に姪っ子にハンカチをあげてしまったのですが
これはとっておこうと思って残ってた子たちなので 愛着はありますね。

YSK03

—お母さまもハンカチを常にもっていらしたんですね。
はい。やはり母の影響はありますね。
アクセサリー置き場と同じところに入っていたんです。
そこの引き出しはキラキラした印象で そこからハンカチを母は出して使っていたのですごくいいイメージがあります。

—村田さんもハンカチ置き場があるんですか?
小さい頃、私のハンカチは靴下入れと一緒でした。
今もその流れで、靴下と一緒が落ち着きます。
そこを開けて出かける時に、一瞬だけど選びます。
「うーーーん・?・・これだ!」みたいな。
その時の気分ですけど、一瞬ですが悩みますね。

—H TOKYOのハンカチを知ったきっかけはなんですか?
6年前のイベントで一緒になった時に 知り合いになりました。
その後オーナーの間中さんが個展に来てくれて
「ハンカチ作りませんか?」と声をかけてくれたんです。
間中さんはプリントされた私の絵も買ってくれて。
本当に気に入ってくれたんだ!って 嬉しかったのを覚えています。

—「ハンカチ作りませんか?」と言われた時はどうでしたか?
すごく嬉しかったです。本当かなーとも思いましたけど 笑
アイデアのラフ画をいっぱい描かせてもらったんですが
テーマも自由だったので 描きたいものを素直に描かせたもらいました。
パンツ画は間中さんの反応が薄かったですけど 笑

—確かに間中は初め「どうしよう・・・」と不安そうでした 笑
そうですよね。でもマネージャーの大津さんが
すごく気に入ってくれて作らせてもらいました。
その後白パンツに続いて赤パンツも描かせてもらったのですが
白があったら赤もあるべきだ!と思って、ラフ画で打ち合わせする前に
「もう描いちゃいました」みたいな感じで 笑 仕上げてもっていきました。
でも形になるのって色々難しいのに
こんなに自由にやらせてもらって本当にありがたいなって思ってます。

—ハンカチのこだわりはありますか?
愛着かなー。そこにすべてがあるかもしれません。
手触りとかもそこに関わりますし。
ハンカチは絶対長いおつきあいになると思うので
自分に近いかなと思えるものを選ぶようにしています。

—好きなハンカチの使い方はありますか?
広げて使うことも多いです。
おにぎりとかを包んだりすることも多いですね。
自分のハンカチは絵の宣伝にもつかえるので
この人と会うなら、この絵を見せたいなという感じで
選んでいくこともあります。
絵はいつも持っては出掛けられないですが、
ハンカチは畳めて小さくなるので「こういう感じの絵を描いてます」と
見せたいときは助かってます。2、3枚持っていくこともあります。
あと家ではウエストのところに挟んでおくこともあります。
長めに垂らしておくんです。
ちょっと手を拭きたい時とか便利なんですよ。

—ハンカチは何枚お持ちですか?
姪っ子に結構あげてしまったので 今は10枚くらいですね。

—村田さんは常にハンカチを持っているんですか?
はい。もっています。ないと不安です。
ハンカチはカバンに入れていて カバンの中の、
そのまた小袋の中に入れちゃってることもあります。
出す時少し不便なんですけど 笑

—ハンカチの思い出はありますか?
小さい時って車移動の時間が暇じゃないですか?
折り紙みたいにハンカチを折って遊んでいました。
ブラジャーとか 笑 リボンとか。
これを飽きずにやたらとやっていましたね。
それしか作れないんですけど。 お姉ちゃんと二人で「見てみてー」って。

—父の日も近いですが村田さんとお父さんの思い出はありますか?
幼稚園の運動会で騎馬戦があって
お父さんに肩車されて園児たちが赤白帽を取り合うのですが
私もお父さんもちょっと緊張していて
私はそんなに肩車されたこともなかったので父の肩車が不安で不安で。
この父の頭を触っていいのかなーとか分からずすべてがしっくりきていなくて 笑
そして、始まってすぐに帽子を取られてしまったんです。笑
本当は取られたら退場しないといけないのですがそれを父に言えなかったんです。
子供なりに申し訳ない気持ちとか、いろいろあったのかな・・
帽子もないので対戦してもらえないのに ずっと戦う場にいたんです。
取られちゃったことに父が気がついてくれて
「言いなさいよー」って注意されて 笑
不器用な変にギクシャクしてたその感じが、
すごく私とお父さんぽくて 今でもよく覚えています。

—今でもお父さんとは話しますか?
大人になってからの方が仲がいいですね。
よく話すようになりましたし、大好きですね〜
最近はカフェオレを上手に作れるようになっていたり
冷たい緑茶を得意としていたり 笑
初めは疑っていたんですけど、本当に美味しくてびっくりしました。
父は丁寧に大切に手をかけられたお坊ちゃん育ちなのに
その反動なのか独身時代にカップラーメンにはまり、今でも大好きなんですよ。
そういうギャップがあって面白いです。
わたしが仕事でおじさんを描くときはやっぱり父にちょっと似ちゃいます。
裝画のお仕事で遠藤周作を描いた時も結構父似になってました 笑

— お父さんもハンカチを持つ方ですか?
はい。父は「ハンケチ」って言いますね。
そういえば家着のポケットにもいつも入っていました。
いつもハンカチ持っていますね。

—ちなみに今年の父の日はどうしますか?
毎年図書券なんですよ。
本が好きで、本をすごく読む人なので一番喜ぶのは結局それだなって。
あんまり物を好きじゃない人で。

—村田さんと一緒に作らせてもらった「ジョージ」 ワッペンシリーズも
父の日に良さそうですよね。
髭のジョージは指の先に刺繍を入れてもいいですよね。
髭の色も黒髭と青髭がありますし、選ぶの楽しいですよ!笑
私も今年はお父さんにあげてみようかな。
※ジョージワッペンシリーズはオンラインショップでもご注文いただけます。

—ありがとうございました。



村田善子
1977年神奈川生まれ。イラストレーター。
本の装画、雑誌、広告などを主に手掛けている。