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2017.04.20

新作ハンカチ -小澤真弓-


荒物///
食べる道具、仕舞う道具、運ぶ道具、磨く道具。
日次暮らしていく道具。
52cm square ,cotton 90%,Linen 10%

OZM002 山

///
仰ぎ見る山々。
なぞりたくなる稜線はどこまでも連なって、
明けても暮れても、変わらずそこに。
52cm square ,cotton 90%,Linen 10%,white/sax blue 2色展開

やわらかな風が心地よく、
肌と空気の境目が曖昧に感じる季節。
そんな清々とした季節にぴったりな小澤真弓さんによるハンカチが登場です。

自然やモノを直感的にとらえ、インクや珈琲で描かれた作品。
自分ではコントロールをしきれない珈琲という画材を楽しみながら、
好んで使うところにも、そこにある気配や偶然を大切にされながら描かれる
小澤さんの姿が想像できます。

swimmie銀座店では4/20 – 5/3の期間中、
ハンカチの原画を展示しております。

原画でしか味わえない美しい珈琲の滲みやインクの光沢感など実際にご覧いただければと思います。

また、小澤さんの個展も近々開催されます。
こちらでもハンカチをお手にとっていただけます。

□□□

小澤真弓 個展
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2017 4. 25tue. – 4.30sun.
11:00- 19:00 | 会期中は作家が全日程在廊予定

TRIP ROOM 恵比寿
150-0022 東京都渋谷区恵比寿南2-9-8落合装苑ビル4A
Tel 03-5768-5741

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□□□

小澤真弓
絵描き
1984年 東京生まれ
植物や山の景色など、有機的な自然の姿を直感的にとらえた作風で、
広告、WEB、書籍の装丁などを中心に活動。
HB FILECOMPE VOL.19 副田高行賞 大賞

2017.04.18

銀座店一周年と新作ハンカチ

ginza 44×33

3月31日でswimmie銀座店は1周年を迎えることができました。

それを記念しswimmie銀座店のショップカードと
同じデザインのハンカチが銀座店限定で登場いたしました。

江戸時代から400年以上の歴史を感じる、碁盤の目状の銀座の街並み。

チェック柄にした地図には白いラインで地下鉄の路線や
信号機のある交差点には四角くマークがされています。

そして、東急プラザ銀座がある場所には丸く穴があいています。

g-a2

ginza grid///
たくさんのひと、たくさんのもの、たくさんの…いろいろ
にぎやかで あふれすぎた世界は
ときに何も見えなくなってしまう
そんなときはこの小さな穴からのぞいてみる
そこからの世界はまあるくて いとおしい
新たなちいさな発見があるだろう

こんにちは!銀座

g-b2

 

この小さな穴からのぞいた銀座の景色や名物、
銀座店のスタッフがおすすめするスポットなどを
instasramでご紹介しております。
simmie_ginza #ginzafocus

新旧が溶け合った街、銀座。
お気に入りのスポットがきっと見つかるはずです。

2017.04.05

4月展開予定

4月展開予定です。

4.21(金)-5.7(日) スタジオマノマノ ・名古屋「ハンカチ&てぬぐい展」

4.28(金)-5.8(月) お茶とギャラリー1188・高知

2017.04.04

H TOKYOのしごと

現在、兄妹ブランド「H TOKYO」ではスタッフを募集しております。

・・・

働くことは、必然的に生活の重要な部分を占めます。
そのひと自身が働く環境として、自分の目指していることに合っているか、
身に付けられることは何か、 その仕事や人生でのプラスになることを
イメージできることが大事だと考えています。

また一番大切なのは、本質的にその仕事を前向きな気持ちで楽しめているか。
真摯にまじめに仕事に取り組む中で、
苦手なことも、たいへんなこともきっとあると思いますが、
その根本でその気持ちを持てる環境であるかどうか。

募集しているH TOKYOの店舗でも
そういったことを大事にできる店舗を目指しています。

スタッフ募集にあたり、改めてスタッフがどんな風な気持ちで働いているか
インタビューしてその感想を聞いてみました。

今回は勤続年数2年5ヶ月の京都店スタッフの大賀詩穂です。

DSC_0025

—どうやってH TOKYOを知りましたか?

きっかけは新潟の『山ノ家』※です。
その時は新潟に住んでいました。
4年ほど前にH TOKYOが旅するハンカチで来ていたときに
「今度ハンカチのお店がくるからどうですか?」って
スタッフさんに誘ってもらって初めて知りました。
山ノ家は出来たときから好きで行っていました。

※山ノ家・・H TOKYOのお店の設計などでお世話になっている
gift_さんが運営しているカフェ&ドミトリー
http://yama-no-ie.jp

その時は他にもいろいろな三宿のお店とかも来ていて
すてきだなって思っていました。
H TOKYOではダブルガーゼのハンカチ買わせてもらったんです。
それと友達にあげるお中元にハンカチと花火も一緒に買いました。

—その後H TOKYOで働くきっかけを教えて下さい。

その数か月後に結婚をきっかけに京都に引っ越すことになって、
もちろん新潟での仕事も辞めることになり、
山ノ家にふらっとあいさつに行ったら
「しほちゃんいいとこあるよ!紹介するよ!」と
その時のスタッフさんに言ってもらったんです。
なんていい話があるんだ!と思いました。
ハンカチも好きでしたし、他の仕事もしてみたいなと思っていたので
すぐ履歴書をお送りしました。

—でも縁もゆかりもない京都に引っ越しをして、
遠距離だった彼と結婚をし、今までと違う仕事につくなんて
新しいことだらけですごい勇気ですよね!

そうなんですよね 笑
なんかもう今となっては絶対できないなと思うのですが
27歳のわたしは、若さだったのか
やるならところんやっちゃおう!
という気持ちでしたね 笑
楽しいこと、新しいことをやってみたかったんです。
知らない自分を開拓したいというか。
本当に勢いです!

—大賀さんも旦那さんも京都生まれではないですが
京都に引っ越した理由はなんだったのですか?

付き合っているときからお互い京都がすきで
二人でも一人ずつでも京都にはよく行っていたんです。
旦那さんも仕事を変えたいタイミングで
せっかくわたしが結婚をして新潟を出るなら
自分たちが好きな京都にしようかという話になりました。
そのすごく良いタイミングでH TOKYOが
京都にオープンだったのでこれは運命だなと思いましたね。
大好きな山ノ家の方からのご紹介でしたし
前のイベントの時に話したH TOKYOのスタッフのみなさんが
とても明るい人たちで雰囲気も分かっていたので
安心して飛び込めました。

—H TOKYOに入る前にしていたお仕事は何でしたか?

保育士です。短大を卒業して7年半していました。
小さい時から保育士になるもんだと思っていたんです。
なので迷いなく進学しました。

—小さい頃からの夢を叶えたのですね!なぜ保育士さんだったのですか?

大好きな保育園の先生がいたんですよね。
それが大きいと思います。
実はその自分が出た保育園に勤めました。
移動もない保育園だったので
自分のことをみてくれた先生も
わたしが働くようになってからもそのままいらして。
なのでお母さんみたいな感じでした。

—でもそこまで迷いなく続けた仕事を変えるってすごいですね。
やりきった感じだったのですか?

子どももすごく好きでしたし、仕事も大好きでした。
でもときどきあるんです。急に気持ちが変わるときが 笑
自分ではこの飽き性がよく続いたなという感じです。
もちろん京都でも保育士の仕事を考えましたが
土地も変わりますし、少し不安もあったので
それなら仕事ごと変えてしまおうかと。

 

DSC_0109

—H TOKYOで働く前と今では印象は違いましたか?

レジも刺繍ミシンももちろん触ったこともなかったですし、
接客が素人で、保育士の時は同じ人と長い間接する仕事だったので
積み重ねて人との信頼関係をつくる感じでしたが
はじめてあった人に短時間でどんなふうに接したらいいか
ということに戸惑いました。
でも仕事自体はすごく楽しかったですし、
思っていたよりも忙しかったです 笑

—大賀さんが今しているお仕事を教えて下さい。

はい。お店の接客とオンラインショップの受注から配送までと
一部卸のことも担当させてもらっています。
他に関西方面の卸先さん対応は店長の清野さんが基本やってくれているので
わたしはそのサポートをしている感じです。

—接客以外のオンラインショップの対応や卸先さんの対応なども
結構多いかと思いますが大変ですか?

一人しかいない日もあるので結構バタバタして
焦ることは正直多いです。
でも効率よくやることをすごく考えながらやるようにしています。
もちろん残業すればできますが
そうじゃないところで仕事がちゃんとできたらいいなと思っています。

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—仕事をする上で楽しいことはなんですか?

ほぼほぼ初めての人と毎日会えるということが楽しいです!
先ほどもお話ししましたが
同じ人と毎日顔を合わせて信頼関係を築くのも
とても楽しいのですが、
新たな風が吹いて知り合いも増えましたし
「あの時楽しかったから」とまたお客様がきてくださったときは
すごく嬉しいです。
それとたくさんのハンカチを見ていられるのも楽しいです。
わたしはスタンダードな生地が好きなのですが
「こんなシャツ生地あるんだ」とか
「この生地がこんなに高いのはなぜだろう」とか
いろいろな生地に出会えるのも楽しいですね。

—ちなみに、つらいことはありますか?

ないですよ 笑
もちろん仕事ですし、日々大変なこともありますが
「つらい」と思ったことは無いです。

—新潟から京都に移って働いてみて違いはありましたか?

そうですね。やっぱりまずは言葉でした。
自分は標準語だったので「どこから来たの?」と
よくお客様に聞かれます。
でもその時に「新潟から来たんです!」とお話しが
盛り上がることもしばしばあります。
お話しをしながら京都の方は
とてもこの土地を大切にしているんだなと思いました。

—念願の京都在住はどうですか?

念願だったのですが意外とどこも
観光の人で混んでいるので
実は行けていないところがたくさんです 笑
でも旦那さんと一緒に休みが取れた時とかは
ちらほら出かけたりもしています。
自転車でぷらっと出かけられるのも楽しいです。
美味しいものも多いですし、
店長の清野さんが色々教えてくれるので頼りにしています。

—京都店はお子さん連れのお客様が多いので
保育士さんでのお仕事もいかせているように思いますがどうですか?

そうですね。京都店はファミリー層も多くて
小さいお子さんもたくさんなので、
お子さんのお話しを通して
お母さんとお友達になったりすることもあります。
お子さんがいるとそれがきっかけで話しやすいですし、
そういう意味では前の仕事もいかせているのかなと思います。

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—3年目ですが接客の仕事は慣れてきましたか?

お店には接客のプロがいるので(店長の清野さん)
学ぶことは本当に多いです。
お声がけするタイミングとかはむずかしいですし
自分だったらどうかなどを考えながらやっています。
まだまだ出来ていないことも多いですが楽しいことも多いです。
あとはH TOKYOらしさを伝えられる接客が
もっとできたらいいなと思います。

—H TOKYOで働いて身につくことはありましたか?

自分はまったく全然違う仕事についたので
接客スキルは身についていると思います。
あとはハンカチの知識や刺繍ミシンの使い方なども
もちろん色々勉強になります。
販売以外にも卸先さんとの取引など
そういったこともアルバイトではありますが
関わることができるのでその流れも知れます。
今までやったことないことがたくさんあるので
日々身についていっているなと感じています。
それが自分のこれからの人生のまたどこかで
経験として役につかなと思います。

—大賀さんは今後どんな自分になりたいですか?

そうですね。今わたしは主婦業と兼任で働いているのですが
実は自分は家事が得意ではないので 笑
もうちょっと余裕を持って家事をできるように
時間の使い方をうまくしたいなと思っています。
いつか子どもを産んでもここでお世話になれたら嬉しいです。
いつも「自分を大切にしてね」と言ってくれる
会社なのでそれは本当にありがたいです。
子ども生まれても「いいじゃん、ここに連れて来なよ~」なんて
言ってくれる会社なんてなかなかないと思うので。
オーナーのお子さんたちもお店に出入りしていたりして
自分としては理想だなと思っています。
この京都店自体ももっとお子さんとかも集まって
ワイワイできる場所になったらいいなと思います。

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—ありがとうございました。
京都店・丸の内店では一緒に働いてくれる方を探しています。
ご応募お待ちしています。

【募集要件】
・アルバイトスタッフ(試用期間3か月あり、評価による昇給あり)
・1日8h勤務(別途休憩1h)
・シフト制4.5日 土日祝日働ける方
・交通費実費支給
・社会人経験者優遇
・時間給 丸の内店950円(試用期間3か月940円)
京都店850円(試用期間3か月840円)

【応募方法】
応募される方は、以下の住所に履歴書・職務経歴書をご郵送ください。
〒154-0004東京都世田谷区太子堂1-1-11-102
オールドファッション株式会社
担当:大津

2017.04.03

僕の好きなハンカチ episode-22

一番好きなとっておきのハンカチ、つかいかた、思い出など、ハンカチにまつわることを、H TOKYO/swimmieに関わる周辺のひとに、お伺いしていきます。

///

22人目はH TOKYOの包装紙やショップカードなどの
折りの工程など、様々なところで助けていただいている
世田谷福祉作業所の中村勘太さんにお話を伺いました。
ハンカチのことはもちろん
福祉作業所のお仕事についても色々教えていただきました。

a

—お持ちいただいたハンカチの好きなところ、
オススメのポイントは何ですか?
実はこれ、つい先日衝動買いしたハンカチです。

—これはH TOKYOの丸の内店で 先行発売されている
「キッテハンカチ」ですね!
そうなんです。先日KITTEに伺って買いました。
「これからお気に入りにするぜ!」という ことを
お伝えするためにお持ちしました 笑

b

—ありがとうございます!嬉しいです!
こちらは年季が入っているハンカチですね。
とっておきはこちらで たぶん、もう20年以上前から持っていて
しかも今でもかなりヘビーに使っている 現役バリバリのハンカチです。
持っていると落ち着きますし これがないと寝られない
ってほどではないですけど 笑
でもそれに近いタイプのものです。
だからボロボロなんですよね。

—これは「となりのトトロ」ですよね?
はい。僕ずっとジブリが大好きで 親に買ってきてもらったんです。

c

—ジブリの中では「となりのトトロ」が一番好きなんですか?
僕下の名前が「勘太」というのですが そういう意味で、
トトロはとても他人事でない身近に感じる作品なんです。
※主人公サツキのクラスメイトで「カンタ」くんが登場するため。

—小さな頃からハンカチはお持ちだったんですか?
いえ、ハンカチ・ティッシュを毎日持っているような
そんな子供ではなかったです。
うちは父子家庭で父親だけなので
毎日「ハンカチ・ティッシュ持った?」というような
こともなかったですね。
なので鼻水はゴシゴシと手で拭いてましたし
手を洗ってもズボンや洋服で拭いてました 笑
もしハンカチを持っていたとしてもポケットに入れておくだけで
そのまま洗濯機にというような感じでした。
ですからハンカチを持ち歩くということは
あまりなかったように思います。

—でもこのトトロのハンカチは小学生くらいからお持ちですよね?
そうですね。
でも買ってもらった当初は毎日持ち歩いていたわけではなくて。
だんだん成長して体質も変化して
アレルギー体質がヘビーになってきてからですね。
だから持つようになったのは大学生くらいになってからだと思います。
鼻に何か生地が当たっていないと不安というのは 笑

–生地はタオル生地がお好きなんですか?
はい!基本僕ハンカチはタオル生地ラブなんです!
というのも、まず泣き虫であること。
感動泣きが多いんです。
それと結構な鼻炎持ちなので
鼻の下に何かがないと落ち着かない体質の人間なんです。
ティッシュで鼻をかみ続けると
鼻の下がガビガビになってしまうので
そうなったらタオル生地のハンカチの出番なんです!
ハンカチをあてているだけでだけで安心しますし
寝るときもタオルを顔にのせて寝ています 笑
今の季節は毎晩そうですね。

—本当にタオル生地がお好きなんですね。
昔から使っていたのですか?
そうですね。高校の時は陸上部だったので
その時はスポーツタオルをずっと首に巻いていましたし
大学ではテニスサークルだったんですが
やはり常にスポーツタオルを首に巻いていて
タオルとともに生活しているという感じです 笑
それくらいの存在です。 そうこうしているうちに鼻炎がひどくなってしまったので
そのつど箱ティッシュを持ち歩いていたのですが
箱ティッシュ持ち歩くのも大変だし、勿体無いし大変だなと思った時に
「タオルを1枚持てば解決する!」ということを発見し、
タオルハンカチを使い始めました。
なのでトトロのハンカチも
キャリアは20年ですがだいぶ遅咲きです。
ただ使っては洗濯、使っては洗濯を繰り返していて
干したらすぐ使うという感じなので
ボロボロな感じになってしまいました 笑

—こちらのハンカチはフォーマルな時に使う感じですか?
そうですね。
そんなに服とかおしゃれとかは気にしないんですけど
僕の一張羅といえばFRED PERRYなんです。
結構衝動買い系のハンカチです。
広げると柄が4つになっているところもいいですし
「ザ・FRED PERRY」な感じがして。
これは鼻を拭くタイプのハンカチではなくて
いわゆる見せハンカチです。
なのでこれはむしろ使わないかもしれません。
本当にちらっと見せるというか。
見せハンカチの中でもより「見せるだけハンカチ」というか。

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—タオル以外のハンカチも買われることはあるんですね。
それはもう最近になってからですね。
フォーマルに使えるものも持っていないとダメだなって思ったんです。

—何かきっかけがあったんですか?
社会人になって友達の結婚式とかもそうですし、
8年か9年前にじいちゃんが亡くなった時に思いました。
葬儀の時って礼服着てるじゃないですか。
出棺のとき号泣だったのですが
さっきのトトロのハンカチみたいなものしか持っていなくて。
実は恥ずかしくて出せなかったんです!
なので拭くこともできずに涙も鼻水もダラダラ流してて。
すごく悲しい気持ちと 恥ずかしくてハンカチが出せないという気持ちの狭間で
苦しみながらじいちゃんを見送ったんですよね。
「ああダメだな」って思ったんです。
それでいくつかフォーマルな時にも使えるハンカチを買いました。
でもやっぱり最初はタオル生地を買ったんですけどね 笑
必要性に迫られて、使うハンカチのジャンルを広げた
というところもあると思います。
受け身なハンカチライフですよね。
正直自分から「ハンカチが好きで!」と買うことはないんですけど
「使う」というところでは買っています。

—H TOKYOのハンカチを知ったきっかけは
やはり作業所さんでお願いしているお仕事ですか?
はい。大学の時からハンカチは使ってはいましたが
こんな風にハンカチにもおしゃれなものがあるとか
ハンカチ屋さんがあるとかそういった感覚は全然なかったんです。
世田谷福祉作業所に来て働き始めて
近くにH TOKYOというハンカチ屋さんがあって
そのお店から作業として包装紙やショップカードを
折る仕事を受けているのだと
先輩職員から教えてもらってはじめて知った感じでした。
失礼な話ですけどハンカチ一本で
作業所に仕事の発注ができるくらい商売が成り立つのかって
びっくりしました 笑
でも仕事を引き継いだ当時は
緊張する取引先さんという感覚が強かったですね。

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※世田谷福祉作業所さんで折っていただいている包装紙とショップカード

— 中村さんは世田谷福祉作業所さんで働く前も
同じお仕事をされていたんですか?
そうですね。
世田谷福祉作業所は社会福祉法人武蔵野会が
運営しているのですが、以前は同じ法人の別の施設で働いていました。
それが伊豆大島にある入所の施設だったんです。
島で4年間暮らしていました。

—大学を卒業されてはじめて働いた先が島ですか?
はい。そうなんです。
トトロのハンカチも連れて行きました 笑
配属先を希望できたんですが、自ら島を選びました。
青写真を描いていたんですよね。
のどかなスローライフというか。
当時テレビドラマで「Dr.コトー診療所」がやってて
島の人たちがすぐに覚えてくれて、優しく声をかけてくれて
頼りにしてくれるみたいな。
でも現実は真逆でした 笑
そんな一朝一夕には覚えてもらえないですよね。
その後異動して5年前に世田谷福祉作業所に来ました。

—H TOKYOと密にやり取りしてくださるようになったのは
最近ですよね。
施設の中の仕事としては作業の部門がいくつかあるんです。
その中にリーダーがそれぞれいます。
民間の企業や世田谷区からの仕事を請け負う窓口と
お菓子を作ったり手すきの紙雑貨を作る部門のリーダーが
一人ずついて3トップみたいな感じになっています。
企業や世田谷区からの仕事を請け負う仕事の窓口を
平成27年度から自分がやっています。

17_ショップカード折り

※ショップカードを折っている様子

—大学でも福祉のことを学んでいらしたんですか?
いえ、まったく違います。
大学では日本史を選択していました。
今全く役にたっていないです。
少しくらい歴史好きな人とかいないかな〜とは
思っているんですけど 笑 なので「大学卒業」というところだけが
残った感じで、勉強が今につながっている感じではないです。
教員免許はとろうかなあと思っていたのですが
途中でやっぱりいいかなと思ってやめたので
何も資格も知識もない状態でした。
バイトで少しかじっていたところはあったのですが。

—アルバイトでどんなお仕事をしていたのですか?
メインは焼肉屋だったんですけど 笑
ちょっと知り合いからお願いされて
知的障害を持つ小学生から高校生までの子供の
放課後の活動を支援する事業所があって
そこでアルバイトをしていました。
就職活動を始めるときに毎日スーツは絶対嫌!と思っていて
それでこれを仕事にしたらいいのではないかと考えました。
それで見つけたのが今の法人でした。
さらに島の勤務もあったので面白いじゃんと思って
面接の時も「大島に行きたいです」と話しました。

—実際に働いてみて仕事は好きになりましたか?
よく知らないし、福祉業界で何がしたいということも
あんまりビジョンがないまま働き始めたので
1年目、2年目はよく分からなかったです。
楽しいと言うよりはよく分からないという感じでした。
楽しくも辛くもないしモチベーションもないというか。
島も思った生活と違うし・・ そんな1、2年目でした。
自分から希望して行ったものの、
異動できるチャンスを早くも伺い始めていました。
でも3年目になって、大島での生活の中で地元の知り合いができたり
ごはんをご馳走になったりしているうちに
島暮らしが楽しくなっていました。
プライベートが充実してくると仕事にも目が向いてくるというか。
それからですかね、仕事も楽しくなったり
「これを頑張ろう!」というものが出てきたのは。

—島でも今と同じように利用者さんと一緒に
お仕事をするような感じだったのですか?
入所施設だったのでそこにずっと利用者は生活しているんです。
日中は作業する人もいれば
リラクゼーションをしたりとかもありましたが
分かりやすくいえば、「お風呂、ごはん、寝る、トイレ」などの
生活面の支援もありました。
ローテーション勤務で夜勤とかもありました。
世田谷福祉作業所の利用者より
障害が重度の方が多かったので
そういった支援の仕事をしていました。

—ハンカチについてのこだわりはありますか?
やっぱり基本はタオルハンカチです。
吸水力と慣れ親しんだこの生地感ですね。
これからもずっとタオルハンカチを中心に
見せハンカチを少し増やしていく感じだと思います。
「使う」なら、まずはタオル生地の中から選びますね。
あとは汚れが目立ちにくいとか。
「見せる」なら、ほらすごいでしょって
思わず見せたくなるものやポケットからちらっと
見えておしゃれなものがいいですね。
「こんなところにもちゃんと気を使っているんだ」と
思ってもらえるような。
ある意味見栄ですね 笑
見栄で買ったハンカチはよほどのことがあっても使いません。
二刀流のハンカチ王子なので。

—好きなハンカチの使い方はやはり・・・笑
涙を拭く、鼻を拭く、抑えるですね。
電車とかでも鼻炎で困ることが多いので
ヘビーユーズするハンカチは
ビニール袋に入れてから鞄に入っています。

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※実際に持ち歩くときの様子

—ハンカチは何枚くらいお持ちですか?
見せハンカチが5、6枚。
でもこれは劣化しないのでずっと増えていくだけでしょうね。
あとヘビーユーズしているタオルハンカチが10枚くらい。
これは使い潰す感じで100均で買っちゃうものもあれば
とっても上質なタオルハンカチもあります。
実は第三形態のハンカチもあるんです。
それも入れると30~40枚くらいですね。
残りの15〜20枚が第三形態です。

—第三形態ってなんですか?!
これはですね、趣味を兼ねたコレクションです。
実はこのトトロのハンカチもコレクションだったんです。
僕、スタジオジブリがめちゃくちゃ好きで
それと劇団四季も好きなんですよ。
舞台を見に行った時とかに手軽に買える
オフィシャルグッズとしてタオルハンカチを集めているんです。
なので基本は使わないです。
でももしかするといつかヘビーユーズに
移籍する可能性も秘めていますけど 笑

—第三形態チームは引き出しの中に入っているんですか?
大島にいた時は家を借りていたんですが
家賃が安いので広い平屋の一軒家に住んでいました。
その時は壁がいっぱいあったので
ジブリや劇団四季のグッズを全部飾っていました。
ストラップや非売品の何回か見たらもらえるグッズとかと
タオルハンカチも並べていました。
まるでミュージアムでした。
今は引っ越して家も狭くなってしまったので
引き出しの中にしまってあります。

—引き出しの中のハンカチたちはたまに眺めたりするんですか?
そうですね。
あとは何か人前で劇団四季のパロディとかをやる用事が
ある時にギャグ的に使ったりもします。
ハンカチをつなげてスルスル出してみたりとか。
そういう用事を自分で作り出したりもしますね 笑
これが第三形態の使い方です。

—世田谷福祉作業所でのお仕事について教えて下さい。
外からのお仕事だと、折り込みちらしを挟んだり
それをそのままポスティングに行くこともあります。
和菓子の箱を組み立てたりもありますね。
近隣の公園のお掃除もしています。
あとはお菓子の製造と手すき紙の雑貨作りです。

17_包装紙折り

※包装紙を折っている様子

—色々なことをやってらっしゃるんですね!
はい!やれないものはないと思います。
どうにかやり口を見つけてやってみせますので
ぜひお仕事ください!!!
普通ならめんどくさいと思ってしまう仕事こそ
得意な人もたくさんいますので。

—今後やってみたいこととかありますか?
我々としてこういう施設があるということを
まず知ってもらいたい気持ちはもちろんあります。
どんなことでも来てくれたりお仕事をいただいたり
することはとっても嬉しいんですけど
お仕事を頼もうとか来てみたいと思えるためには
どうすればいいかなと思っています。
それに、僕たちも相手のことを知らないとその辺って
歩み寄るの難しいと思うんです。
ただ「障害を持った人が頑張っています!」
とアピールするだけではなく
そういう福祉とかが分からない人でも
なんとなくニュアンスがわかる表現やツールを使って
発信できるといいなと思っています。
そのパイオニアとなるのが先日作った新聞です。

わいわいコマーシャル

—これはH TOKYOでも話題でした!
大変なお仕事だと思いますがとても楽しそうだなって。
ああいった時間を作っていることもすごいなと思いました。
あれももちろん仕事なので勤務時間中にやっています。
どんな時間かは企業秘密です 笑

—このお仕事は好きですか?
好きですね。
もちろん大変なことも嫌なこと、苦手なこともありますけど
それも楽しむというか。
「あれもこれもすごいことになった!」
みたいなことを楽しむ癖があるんですよね 笑
カオスになることに快感を覚えてしまうところがあるので、
そういう意味では向いているかもしれません。
大変な仕事ではありますが
でも大変じゃない仕事ってないじゃないですか?
それは、「ものは考えよう」かなと思います。
福祉だけが大変なのではなくて
仕事している人はみんな大変で、
福祉は福祉の大変さがあって。
そのひとつにすぎないかなと思っています。
「なのでなんで自分だけが!?」とか
「この業界は・・・」とかは思っていないです。

—中村さんからはとてもその前向きのオーラを感じます!
ありがとうございます!
もちろん反動で家の中でじーっとしている時もありますけどね。
それもバランスですから 笑
異動もあるのでずっとここにいるわけではないと思いますが
別の場所に行ってもその場所にあった盛り上げ方、
盛り立て方があると思うので そこを活性化していきたいですね。
今の立場的にも施設の中で直接利用者を支援するっていうことよりは
その職員を指導したり施設と外の企業や仕事とコラボしたりマッチングしたり
新しい何かやろうよ!という役割が増えてきたのですが、
それも福祉の仕事かなと思っています。
僕なんかは学生時代は全然勉強もしなかったから
実際に利用者と関わる仕事のレベルでは、
僕より優れている職員はたくさんいるし
自分は自分で得意な部分を生かして外から
色々なものを取り込んできて・・というところを
楽しみながらやるのがいいのかなと思っています。

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※ハンカチの使い方を実演してくださったお茶目な中村さん

ありがとうございました。
中村さんの前向きパワーにとても元気をいただきました。
お店にいらした際は世田谷福祉作業所の
利用者さんたちが折ってくださった包装紙やショップカードも
ぜひご覧ください。



中村勘太
1984年5月28日生まれ 32歳
血液型 A型
日本大学卒業
テニスサークルとお酒に明け暮れた結果、
一年間の留年を味わい、テニスサークル現役時代の輝き(?)とは対照的な
日陰を歩き続ける学生生活も1年間経験。
卒業後、社会福祉法人武蔵野会へ入職し、
伊豆大島にある入所施設で4年間、勤務した後、
現在の世田谷区立世田谷福祉作業所に異動、現在に至る。
働きながら、国家試験の勉強をし、介護福祉士と社会福祉士の資格を取得。
社会人になってから勉強する楽しさにも少しめざめ、
現在、漢検準1級受けようかな~と考えている。

2017.03.11

apples & oranges

現在、swimmie銀座店にて
eternal tenderness greenの中原緑さんがデザインをする
Handmade in Japanのバッグブランド「apples & oranges」の
バッグを3/21まで特別に展示販売をさせていただいております。

2017年2月に設立されたばかりのブランドですので、
実際にお手にとってご覧いただけるのはswimmieが初めてだそうです。

そこで、なんと、apples & orangesのみなさまが下記のスケジュールで
swimmie銀座店に在店してくださることになりました。

3/12(日)11:00-15:00 クリエイティブリード 佐久間海土さん
3/18(土)11:00-16:00 代表 小田駿ーさん
3/19(日)11:00-15:00 テキスタイルデザイナー 中原緑さん

バッグを手に取っていただきながら、
三者三様のお話がうかがえる貴重な機会です。

永久お直し保証が約束されたバッグ。
個々の毎日にそっとずっと寄り添っていてくれるようでそれだけで心強いですし、
apples & orangesの覚悟もそこからうかがえますよね。

ぜひ店頭にお立寄りくださいませ。

ショルダーバッグ(umi)着用画像

2017.03.07

新作ハンカチ -eternal tenderness green-

etgイメージb

春がきた 春がきた どこにきた

eternal tenderness greenデザインによる刺繍入りハンカチが登場です。
(3/8〜発売)
春の空気がふんわりとふくまれたような綿毛の刺繍。

デザイナーと日本の職人の信頼関係や細やかなコミニュケーションから
美しく組織された刺繍が出来上がりました。

DSC00037

life  [yellow][gray]///
タンポポの綿毛が命をリレーしている事に気付いて描いた絵が元になっています。
タンポポは
青々とした葉っぱをつけて
眩しい位に黄色く咲き誇って
おばあちゃんになって真っ白になった後
ちゃんと
綿毛になって種になってふわふわ
空に飛んで命を繋ぐリレーをしてる

そうやって今まで命を繋いできて
そうやってこれからも命をリレーしていく

2700yen+tax,35cm×35cm,cotton100%

・・・

3/8 – 3/21まで swimmie銀座店では「life」の原画の展示と
eternal tenderness greenの中原緑さんがデザインをする
Handmade in Japanのバッグブランド「apples & oranges」の
バッグを特別に展示販売をしております。
2017年2月に設立されたばかりのブランドですので、
実際にお手にとってご覧いただけるのはswimmieが初めてだそうです。

ショルダーバッグ(kaze)着用画像

毎日でも使いたくなる、心地よさと
毎日が少しだけ違って見える、テキスタイル。
いつもいっしょにいたくなるような毎日を
”手渡せる”ようにハンドメイドにこだわってつくられています。

ショルダーバッグ(daichi)

お直しイメージ画像

素材はすべてコットン100%の丈夫かつ肌触りのいい
柔らかい帆布が使用されています。

クラッチバッグ、トートバッグ、ショルダーバッグの3型
「umi」「daichi」「sora」「kaze」の4柄のご用意です。

ハンカチもバッグも、
中原さんのフィルターを通した何気ない日常の美しさが表現されており、
中原さん自身の柔らかさ、やさしさがそのまま作品に投影されているようです。
それを日常で使いながら、私たちはまたあらためて日常の美しさを
感じることができると思います。

ぜひこの機会にお立寄くださいませ。

eternal tenderness green
北海道生まれ。四人兄妹の次女として育つ。幼い頃から美術を好み、広い庭で大自然の中遊びふける日々。2007年、武蔵野美術大学卒業。卒業後、寝具会社の商品企画部勤務。2009年よりフリーランス。docomo ie love zoku、スパイラルSICF14、rooms29参加。docomo d クリエイターズデザイン提供。東京都美術館ミュージアムショップ、インテリアショプtransista商品取り扱い。装苑、FUDGE、クシュフル等掲載雑誌多数。

2017.03.04

私の好きなハンカチ episode-21 後編

一番好きなとっておきのハンカチ、つかいかた、思い出など、ハンカチにまつわることを、H TOKYO/swimmieに関わる周辺のひとに、お伺いしていきます。

///

21人目はswimmieのディレクションを担当する亀山薫さんです。
銀座店が1周年を迎えるにあたってハンカチへの想いを聞いてみました。
好きなハンカチの話からswimmieディレクターとして
またクリエイターとしての考え方など
様々な側面から話を聞くことができました。
前編後編に分けてお届けします。
後編はH TOKYOで働き始めたころのことや
swimmieのディレクターとしての話などをお届けします。

A-2

—H TOKYOのハンカチを知ったきっかけはなんですか?

2009年に紹介で週2日、働き始めたことですね。
もうすぐ丸8年になります。
働くようになってからはすごくハンカチを
意識するようになりました。
それまでも生地そのものに興味がありましたし、
四角い仲間でいうと、スカーフが一番好きでしたね。
母が昔使っていたものをもらったり、
古着屋さんとかでもよく買っていました。

K
※オープン当初の三宿店

—ハンカチ屋で働くことに対してはどうでしたか?
ハンカチ屋のバイトがあるよって紹介してもらった時に
「え?ハンカチ屋?!ハンカチだけなの??」と思いましたし、
ハンカチ屋と聞いて初めにイメージしたのはなぜか駄菓子屋的な感じでした 笑
暇なのかな…とも正直思いましたが、
実際はやる事がたくさんで一日があっという間でしたね。
布も好きでしたし、刺繍をしたり、
自分の制作にも近い部分があったのでとても興味がありました。
あとは入って3回目で一人でお店を任されてびっくりしました 笑
一人でお店を任されるという経験がなかったので
不安でもありましたし、衝撃でしたね。
はじめはすごく緊張していたことを覚えています。
自分の活動は家やアトリエで引きこもって制作をしていたこともあり、
働きはじめてからは本当に楽しくて、
仕事なんですが、ある意味息抜きのような感覚がありました。

—ご自身でもito*melという屋号で活動されていらっしゃいますが、
生地は昔から好きだったのですか?

はじめるまでは今ほどには意識はしていなかったと思います。
自分のブランドでは「生地を使う」というよりも
「生地を編んで作る」ということをしていたので
どうやって作られるのだろう?というところには
すごく興味がありましたね。
他にもビーズや革、ニットなどを使用しているのですが
生地はバッグの裏地のように補強のために使ったり、
テープ状にして糸として編むのに使っていましたね。
でも裏地も素敵だといいなと思って
いろいろな生地をよく見るようになりました。

—ハンカチは何枚お持ちですか?
数えてみたら130枚以上ありました!
引き出し1段にびっちり収まっています。
ほぼH TOKYOとswimmieのハンカチです。
仕事の道具っていうのも違うんですけど
でも自分で実際に使って、
経年変化を確かめたいということもありますしね。
もう素材がなくて二度と作れないとか言われてしまうと
やっぱりついつい気になって買ってしまいますね 笑
この調子でこれからまたどんどん増えていきますよね。

—すごい数ですね!
でも先ほどもお話していただいたように
勉強や資料っていうところもありますよね?

そうですね。
コレクションみたいなところもあるかもしれませんね。

—swimmieを立ち上げたのが2014年の6月ですよね?
どういった形でスタートしたのですか?

2013年にレディースメインのハンカチを
スタートさせたいという話がオーナーからあり、
まずはito*melとしてハンカチの柄を
描きませんか?というのが始まりでした。
その後、依頼をさせていただく作家さんのセレクトや
コンセプトを考えたり、デザインをしたりといったディレクションを
お願いできないかというお話もいただきました。
2014年の初めくらいに本格的にスタートしたような感じです。
その頃はすでに新潟に住んでおり、
販売の仕事はお休みをさせていただいていたのですが、
こんなカタチで携ることができるなんて思ってもいなかったので、
お話をいたただけて本当にうれしかったですね。

—コンセプトは亀山さんが考えたものですか?
そうですね。
どんなイメージのブランドにするかというところも提案させていただきました。
H TOKYOというメンズメインのブランドがすでにある中で、
同じくハンカチの新しいラインだったので
同じでは意味がないですし、別の角度から考えていきました。
「男性」と「女性」ということを考えたときに
「女性」ってなんだろう?と思って
たどり着いたのが「水」でした。

—「水」ですか?
はい。
水は気体、液体、固体と条件によって姿が変わりますよね。
でも本質は変わらない。
女性も一人の人間という本質は変わらないまでも、あらゆる面で姿を変えます。
その流動的な(フレキシブルな)ところが女性らしさなのではと考えました。
娘、妻、母、いち社会人…ときどき男よりも男だったり
男性もそうかもしれませんが、より女性の方がそれを強く感じます。
このコンセプトは自分の中でもすんなり出てきたように思います。
「swimmie(スイミー)」というブランドの名前を決めたのはオーナーです。

—どうしてswimmieだったのですか?
水の「スイ」と「三態」で「スイミー」です。
よく間違えられますが、魚のスイミーとは関係ないです 笑

—その後6月にお披露目したんですね?
まずは展示場所が世田谷ものづくり学校に決まって
すごく広い場所だったので、50柄は必要だ!ってなりました 笑
その展示をするときには12作家さんにお願いして
一緒に作っていただきました。
swimmieのオリジナルデザインのハンカチの展開は
この展示が終わってからスタートしました。

s05MN02
※ものづくり学校での展示の様子

—そこから催事などで展開をしていきましたね。
二子玉川の高島屋に始まり、新宿ルミネ、
あとは短期間で池袋パルコや、立川ルミネなど転々としていました。
それでようやく2016年3月31日に
東急プラザ銀座のオープンと共にお店をスタートさせました。

O

—お店はオーナーやマネージャーと話をしながら作っていった感じですか?
そうですね。
お店のデザインをしていただいたgift_labの後藤さんにも
大変お世話になりました。
小さなお店ですし、とにかくハンカチが目立つように
シンプルな作りにできればと思いました。
あとはH TOKYOのお店との差別化ができることと
シンプルながら何か面白い仕掛けができればと思いました。
「水」というコンセプトを伝えられるようにもしたかったので
光の反射を使って水の揺ぎを壁に映しました。
本当は水が流れたりできたらよかったですけど むずかしいですしね 笑
ものづくり学校での展示から飼っていたメダカたちも活躍してくれて
スイスイと泳いでくれると揺らいでとっても綺麗なんです。
大事な演出スタッフたちですね!
子供たちもどんどん生まれているようです。

O02

—ito*melとしてもハンカチの柄を作っていますよね?
デザインの発想はどんなところからきているんですか?

「ことば」の入ったハンカチシリーズは、
ito*melで「かばんのなか」というシリーズのバッグを作っているのですが、
バッグの中ってかなりパーソナルなものだと思うんですよね。
いろいろなモノや感情のカケラが入っていたりして、
小さな宇宙だなって思ったんです。
「バッグの中をみせて」なんて簡単にはいってはいけないような…
そんなパーソナルな場所だからこそ
ふとしたときに我に返れるような、落ち着く場所なのかも知れないって思って
バッグをのぞいたときにその人にしかわからないような
その人にとってのおまじない的な「ことば」を入れたいなと考え、
詩人のしおいりあさこさんに「ことば」をお願いしました。

ハンカチもそのシリーズの延長で、
前編でお話したようなパーソナルなものではあるし、
いままでたくさんのハンカチに触れてきた中で、
swimmieらしさが出るような、私らしいハンカチってと考えた1つです。

私自身は絵が上手ではないことにコンプレックスを持っているのですが、
でも色や絵の具が滲んだ曖昧さが好きなので
色をおいてくるという気持ちで作っていきました。
ハンカチの言葉はバッグの時もお願いしたしおいりさんに
swimmieのコンセプトをお伝えして、
「ハンカチに書いてあったらいいなと思う言葉を書いて」
とお願いして何案かいただきました。
そのswimmieのコンセプトをすごく素敵な言葉で
表現してくださっていた詩があったので
もともとはハンカチに入る予定の詩だったのですが
コンセプト文に使わせてもらったんです。

もうひとつは四角ではないハンカチを作りたくて
2種類のお皿柄を考えました。
裏にはお皿の刻印をまねたスタンプもつけています。
お食事の際に膝に敷いて、食べこぼしをしたとしても
「ほら、お皿の上だから大丈夫よ」っていう、
通称「おそそハンカチ」 笑
こちらはランチョンマットやテーブルセンターとして
使ってくださる方も多いですね。

それと、フレンチヘムにタッセルが角についているハンカチも作りました。
タッセルはito*melでの代表作でもあるので、私らしいかなと。
今は在庫がないのですが、もう一度作れたらなと思っています。

P

—ディレクターとしてswimmieの今後の方向をどう思っていますか?
swimmieをはじめたときのコンセプトと変わらず
H TOKYOがスタンダードなら
swimmieはフレキシブルというのがテーマですね。
お互いいい意味でのライバルとして
色々な方向からハンカチの提案が
できたらいいなと思っています。
トイレには今ハンドドライヤーやペーパータオルがありますし、
ハンカチの必要性はさらに減ってくるかもしれません。
でもハンカチを持つことって日本人らしいなって思うんです。
だからハンカチを好きになってくれたり
使ってくれる人が増えるようなハンカチを作れたらなと思います。
昔の縫製技術も素晴らしいので残していきたいですし、
どんどん紹介したいです。
ものづくりをしている以上そういったことに
少しでも貢献したいです。

—ハンカチを広げていきたいですね。
そうですね。
「ハンカチ持った?」という文化を広げ直せたらいいなと思います。
私が幼い頃は「ハンカチ落としゲーム」というゲームもあったくらいなので、
だれもがいつも持っているとても身近なものだったはずですよね。
自分がハンカチをそれほど必要としていなかった側から
今ではハンカチなしではいられない生活になって
少しはハンカチと共に大人に成長できたかなという気持ちになるんですよね 笑
そもそも基本に戻ったというか。
きちんとハンカチを持っている人を見ると
清潔感があるな、素敵だなって思いますし。
ただ縫われた小さな四角い布なんですけど
ずっとずっと残っていくといいなと思っています。
残すためには私たちが提案をしていかなければですよね。
ハンカチは手を拭くだけって誰が決めたの?って思いますし。

—ハンカチに対する思い出はありますか?
それはここでハンカチに携っている8年すべてです!
ハンカチのことを考えない日はないですし
ハンカチを通してご縁があった方もたくさんいらっしゃいます。
憧れていた作家さんもたくさんお会いでき、
一緒に仕事をさせていただく事もできました。
今の自分を作っているというか。
きっと「あぁ、ハンカチの人ね」って覚えてくれている
人も多いと思うのですべてが思い出ですね。
ちょっと重いですよね 笑

—一緒に働いていますが、発見のあるお話をたくさん伺うとことが出来ました。
これからもハンカチを広げるべく一緒に頑張れたらと思います。
ありがとうございました。



亀山薫(亀山める)
swimmieディレクター。
また、ito*melを屋号とし、ニット、タッセル、ビーズ織、ペイントなど
様々な手法を用いて、日常の身近な景色や思い描いたイメージを
アクセサリーで表現し制作している。
instagram:swimmie_note

2017.03.03

3月展開予定

3月展開予定です。

2.15(水)-3.14(火) 東急ハンズ インテリアコーナー
京都店2F・梅田店12F・心斎橋店4F
三宮店4C・ピオレ姫路店5F・あべのキューズモール店B1F

3.8(水)-3.14(火) 広島三越 5F

2017.03.03

私の好きなハンカチ episode-21 前編

一番好きなとっておきのハンカチ、つかいかた、思い出など、ハンカチにまつわることを、H TOKYO/swimmieに関わる周辺のひとに、お伺いしていきます。

///

21人目はswimmieのディレクションを担当する亀山薫さんです。
銀座店が1周年を迎えるにあたってハンカチへの想いを聞いてみました。
好きなハンカチの話からswimmieディレクターとして
またクリエイターとしての考え方など様々な
側面から話を聞くことができました。
前編後編に分けてお届けします。
まずは好きなハンカチについてのお話です。
ぜひお楽しみください。

A-2

—お持ちいただいたハンカチの好きなところ、
オススメのポイントは何ですか?

swimmieのハンカチはどれも好きなのですが、
その中でどれかを選んでしまうとひいきみたいになってしまうので 笑
今回はswimmieではないハンカチをあえて選んできました。
まずは私がH TOKYOに入って初めて買った
リネンのハンドロール(手巻き)のハンカチです。
タグのロゴも以前のものです。
初めてお店に来た時は今みたいに
デザイナーさんのプリントのハンカチはあまりなかったんです。

—シャツ生地がたくさん並んでいたんですね。
そうですね。
少しずつデザイナーさんとつくるハンカチが始まったくらいの時でした。
柄物はリバティー※の生地やヴィンテージの生地が多かったですね。
その中で目に留まったのがこのストライプのハンカチでした。

※イギリスにあるリバティ社の生地ブランドです。
さらりとした薄手のコットン生地にレトロで多色使いの
小花柄をプリントしたものが代表的です。

B

—亀山さんが持っているハンカチにはストライプが
多いと思うのですが、もともとストライプは好きだったのですか?

そうですね。
取り置きしているのはストライプのハンカチばかりですよね 笑
今日は記念にお気に入りと色違いの
ミントグリーンのハンカチを買って帰りますね。
お洋服でストライプは数枚しか持っていないのですが、
太めのストライプをみるとグッとくるんですよね。
ハンカチなら持てるというので惹かれるのかもしれません。
チェックはあまり私には似合わない気がして。
太いストライプの「生地」自体が好きなんだと思います。
あとは女性ものは花柄などの柄物が多いハンカチの中で
シンプルなストライプのハンカチが珍しかったのかもしれないですね。
今では普通なんですけど。
それと、素材感も大きなポイントですね。

C

—そのハンカチは入ってすぐ買ったということは
もう8年使っているということなんですね。

そうです!
リネンって10年後が美しいって言われているので、今育ててる途中です。
頻繁に使っているわけではないですけど、やっぱり柔らかくなっていますし
吸水性も使い勝手も感触もいいので自然と手がのびてしまいます。

—こちらのプリントハンカチは
Able Art Companyさんのものですね。

これは本当に「すごいなあ」と思った1枚です。
デザインはどこまでしているんですか?
(インタビュアー岡崎がデザインを担当しました)

—文字を選んでレイアウトすることはしましたが、ほぼほぼそのままです。
文字のかたまりひとつひとつが作品でした。色も変えていません。

そうなんですね。
即、取り置きをして購入しました。
これは食いしん坊の私にはもうなんというか、最高だ!って思ったし
自分にはこういうのはできないないし、さすがだなと思った1枚です。
あと、今日は岡崎さんに会うので選びました。

AAC

—ありがとうございます!嬉しいです。
でも生地感もだいぶ柔らかくなっていますね。
サテンの生地ってこんなになるんだって思いました。

確かにそうですね 笑
でもおかげでかなり使いやすくなっています。
もうこれも7年前くらいですもんね。
今は新潟に住んでいるのですが、出張や旅行で出かける機会も多く、
少なくとも滞在日数×2枚はハンカチを持ってきています。
なので5日滞在する思ったら10枚以上は準備して、
トラベルバッグに入れていきます。
これが本当に便利で、スーツケースの中にはいくつも入っていますね。

TB

—1日必ず2枚は持っているんですか?
はい。出かける時は必ず2,3枚です!
まず膝かけ用です。ごはんを食べる時は絶対に膝にかけます。
それと実用的に汗を拭いたり手を拭いたりするハンカチです。
あとはアレルギーで急に鼻水とくしゃみが止まらなくになることがあるので、
鼻と口をおさえるのに使います。
そうなるとそのおさえたハンカチで
手を拭いたり、膝にかけたりはしたくないので
2,3枚は必ず持つようにしているんですよね。
2枚あったら本当に安心します。
1枚でも持っていないとかなり不安なので
ハンカチを忘れてしまったら買います 笑

—2枚あるとより安心ということなんですね。
そうです。
「出かける時には2枚は持つもの」と
今では私の中の基本になってしまいました。
あとは毎日2枚持てるほどハンカチをたくさん持っている
ということもあります 笑
だからこそいろいろなハンカチを使いたいという気持ちもありますね。

—見せハンカチの要素もありますが、
実用的な部分でももう1枚が役立つこともあるんですね。

そうですね。swimmieでは3枚持ちを推奨しています。
1枚目は実用的なハンカチ、
2枚目は見せハンカチ、
3枚目は差し出す用のハンカチです。
3枚目は必需品ではないですが、
常に他の誰かを思いやることができる
心のゆとりを持っていたいという気持ちの表れかなとも思います。
なかなか誰かに差し出す場面はないかもしれませんが
そういう時がおとずれた時にさっと出せるようにしておきたいなと思います。
でもトイレに行った時に手を洗ってハンカチで拭いていると
姉が当然のように手を差し出してくるので
そういう時は自分が使ったハンカチを
そのまま渡しちゃいますけどね 笑
これでいいのかなあとは思いますが。まあそこは姉妹なので。
それだけ仲がいいってことでもありますよね。

—確かにそうですね。
やっぱりハンカチってかなりパーソナルなものでもありますもんね。

本当にそうです。
間接キスくらいのレベルですよね 笑
もしかするとそのハンカチで私が何をしたか…なんてわからないのに
「貸りていい?」って思ってくれるのって
親しい仲でかつ信頼があるからなのかなと、
そこに距離の近さを感じますよね。

—ハンカチの貸し借りってちょっと特別ですね。
そう思うとハンカチって他のツールとも何か違う特別なものに思えてきます。
その日のハンカチはどのように選ぶのですか?

着る服を選ぶ時に一緒に選んだり、
打ち合わせや展示を見に行くときはその作家さんのハンカチを
持って行ったりします。
「あの人に会うから2日目はこのハンカチ」とか
「ごはんを食べに行くからこれとこれ」とか
そんな風に予定から選んでいます。

—それは素敵な選び方ですね。
私は結構フィーリングで選んでしまうので 笑

この出張があるという仕事のスタイルだから、より考えるのかもしれません。
今日は白っぽい洋服なので汚れないように
差し色になるように、濃いめの赤のハンカチにしたり。
でも毎日外に出ていたらハンカチの選び方も
少し変わってくるのかもしれませんね。

—続いてのハンカチはお米柄ですか?
はい。友人でイラストレーターの安原ちひろさんにいただきました。
私が「おむすびこ」という食のイベントをやっていたときに
『ハンカチ屋だし、おむすびこだし、これは
絶対かめちゃんに持っていてほしい』といって譲ってくれたんです。

D

—それはすごく嬉しいですね。
ハンカチを見て亀山さんを想ってくれたんですもんね。

そうなんです!嬉しかったです。
でも実はもったいなくてまだ1回も使えてません 笑
鑑賞用です。
タグが海苔になっているのも可愛いですよね。
いつかまた「おむすびこ」を開催する時が来たら
満を持して着物に合わせて使いたいと思います。
これはもう「わたし」ですね。

—こちらのハンカチはどんな思い出がありますか?
これは自分で購入した中で一番古いハンカチだと思います。

—これはヴィヴィアンウエストウッドですか?
自分の思うヴィヴィアンのイメージより大人しく感じますね。
そう思います。これは18か19歳くらいの時に買ったハンカチです。
時代はヴィヴィアンとか裏原宿の世界でした。
ヴィヴィアンのお洋服も持ってはいましたが
高価でなかなか買えなかったし、やっぱり憧れがありました。
その時に手軽に買えるものというところで買った思い出があります。
ツイル※の生地でピコ※が入ってていいですよね。

※ツイル・・織り目が斜めになっている綾織物のこと
※ピコ・・穴を開けながらかがる飾り縫製のこと

E

ハンカチとしてはあまり使っていなくて
首や頭に巻いたりして使っていました。

—18歳の頃と考えるとこのハンカチも長持ちですね。
そうですね。
ここ10数年くらいは引っ越しも多かったので
そのときに処分をしたり、譲ったりもしたのですが、
このハンカチは手元に残しておきたかったものですね。

—その頃の思い出とかもありますか?
実はあまりハンカチの思い出ってなくって…笑
でもハンカチとお弁当包みを兼用していた気がするんです。
それにハンカチというよりバンダナやスカーフをたくさん持っていました。
手触りというよりも配色や柄などの見た目で選んでいました。
もともと古着も好きなので
二度と手に入らないものとの出会いという感じで買うことが多かったです。
それとちょうどその頃、海賊巻きみたいな感じで
バンダナを頭に巻くのが流行っていたんですよ 笑

—これは素敵な刺繍ですね。
H TOKYOに入ってハンカチを勉強していく中で
こういうスワトウ刺繍 ※というものがあることを知って購入しました。
この刺繍の細かさや柄によって値段が違うそうなんですが
これは5000円だったのですが、まだお手軽な方で、
50000円以上のものとかもあります。
でも自分の中でこれは「よしっ!」と思って
勉強のためにも…という理由をつけて購入しました。
大事に手で作られた特別なハンカチを持ってみたいという気持ちもありました。

※中国三大刺繍の1つ。ヨーロッパの感性と
中国古来の技術が融合した芸術的な美しさを持つ刺繍。

F

—本当にすごい刺繍ですね。
本当に美しいですよね。
5000円のハンカチって高いなとも思いますけど
でもこの仕事量を考えると逆に安いですよね。
結婚式など改まった席に行く時に使っています。
まさに「見せハンカチ」ですね。
私は4人姉弟なのですがその結婚式の時も持って行きました。
楽しい結婚式で、なかなか泣く場面はないんですけど
でも万が一に備えています 笑
姉の結婚式の時はH TOKYOのハンカチに
出席者それぞれの名前の刺繍を入れて
席札代わりに使わせていただきました。

—そうでした!使ってもらいましたよね。
実は今度は弟が結婚式をするのですが
その時もまた姉のときのようにしたいと
弟が言っているのでお世話になれればと思っています。

—家族にもハンカチをプレゼントしますか?
そうですね。
勤めはじめのころはよくハンカチを家族にもプレゼントしていました。
みんな今でも使ってくれていています。
お父さんにはリバティーのちょっと変な亀の柄のハンカチを贈ったんです。
これが入荷した時に私に買ってってことかな?と
思ったハンカチだったので 笑(苗字が亀山さんのため)
ちょうど父の還暦のお祝いだったので赤で名前の一文字「松」って入れて。
その時、母にはリバティーの花柄を、
姉弟にもそれぞれ刺繍を入れてプレゼントをしたと思います。

KAME-b

—こちらのハンカチは珍しいですね。
ニューヨークの蚤の市で出会った古いハンカチです。
でもこういう縫製って、今swimmieでお願いしている
日本の縫製屋さんがもともと得意とされてた縫製で、
昔は輸出も多かったとお話を伺ったことがあるんです。
なので外国で買ったものではありますが
日本で作られた可能性もあるんじゃないかと思います。
アンティークなので出どころは定かではないですし
でもそういうのも素敵ですよね。
今ではなかなかないハンカチですし。

NY

—これはフレンチヘム※ですか?
※一時間に1ー2枚しか縫えない額縁のように縫われたもの
写真左

そうですね。swimmieやH TOKYOで扱っているのとは少し違いますが、
これは結構薄くて小さいハンカチですよね。
たぶん、実用というよりは見せハンカチだったんだろうなと思います。
以前、縫製屋さんにお話を伺った時におっしゃっていたんですが
昔はプリントの技術がなかったので
そうなるとどれだけカットワークなどの縫製で魅せられるか、
遊べるかというところで、
小さな布に今とはまた違ったたくさんの技術が詰め込まれていたようです。
芸術品というか今のハンカチの使い方や立ち位置とはまたちょっと
違ったのかもしれないですね。
もう一度こういうハンカチがswimmieで作れたらいいなと思っているので、
資料のためにも趣味としても集めているところです。

—素敵ですね。ぜひ今の時代にもう一度見たいです。
そうですよね。
ハンカチは実用的なだけではなくていいのかなと思うんです。
そのハンカチを持っていることで気持ちがあがるというか。
昔のように着物を着て所作が柔らかいというわけではないですし、
パンツを履いて颯爽と歩く女性の美しさもあると思うのですが、
「膝に広げる」などのちょっとしたことが
日本人らしい女性らしさにも繋がるんじゃないかなと。
私はがさつな方なので、食事の時に膝にかけたりなどしていると
自然と身のこなしも女性らしくなり、
きちんとしているように見えるんじゃないかと思って 笑
あとはハンカチに関わるようになってからは
ないと本当に落ち着かなくなりました。
なので、一種の安定剤でもあります 笑

—これはどこのハンカチですか?
確かフィンランドとベルギーの蚤の市で買いました。
でもプリントもされているのでそこまで古くはないのではないかと思います。
織りのある生地にプリントがされているんです。
こんなレトロシリーズが作れたら楽しそうだな!って考えている一つです。

FB

—手巻きのハンカチもあるんですね。すごく薄いですね!
そうなんです!薄いですよね。
それに比べるとH TOKYOやswimmieのハンカチは厚地に感じますよね。
これはどこで縫製していたのかなーとか
どこで売っていたんだろーとか
想像を膨らませるのも楽しいです。
外国に行ってもやっぱりハンカチを探してしまいます 笑

—サイズもかわいいサイズですね。
お店でも特にご年配の方には「ハンカチが大きいですね」と
ご意見をいただくことがあるのですが、
私たちの中では45cmくらいをスタンダードサイズとしていますが
昔はもっと小さくて、いつの間にか
実用的に大きくなっていったのかもしれないですね。

—これは懐かしい感じのするハンカチですね。
私もみなさまにインタビューする際に
「子供の時はどんなハンカチを使っていましたか?」と伺うんですけど、
意外にみなさま、ちゃんとエピソードがあって驚いてしまうんです 笑
私は記憶がなくって…。
どうしようかなって思っていた時に
洗濯物でこれが干してあったんです!
初めて見るものでしたし、タイミング的にもとても驚きました。
これは祖母の文字なんですけど、
姉が幼いときに使っていたものなんじゃないかなと。
きっと私もこんな感じのハンカチを持っていたのではないかと思います。

I

—ハンカチのこだわりはありますか?
昔は単純に柄の好みで選んでいました。
基本H TOKYOで扱っている生地は
いい生地ばかりですし、その中でもたくさん見ているので
価格に対しての質や貴重性をさらにみるようになりました。
吸水性がいいとか肌触りや縫製の仕方とか。
ハンカチだったら一番はリネンが好きですね。
あまりアイロンをかけるのが好きじゃなくて
洗いざらしのふわふわ感が好きだったりするので
リネンはすごくいいです。

—好きなハンカチの使い方はありますか?
ハンカチを使ったアレンジはたくさんしますね。
好きな使い方とは少し違いますが、
安定剤なので、外出するときは必ず持っていくのですが、
歯医者さんに行くときはとくにですね。
お供というか戦友を念入りに選びますね。
今日は頼むよって感じで。
ハンカチを握りしめています 笑
今はティッシュをくれる歯医者さんも多いと思いますが、
歯医者さんに行く時は昔から「ハンカチを持って行きなさい」
って言われていましたよね。
あとは先日、親知らずを抜いたときに
ほっぺが信じられないくらい腫れてしまって重かったんです。
そのときに顎から頭の上の方にハンカチを巻いて支えに使っていました。
ギャグ漫画でみるようなこんな使い方を本当にするんだなって 笑

J

—ありがとうございました。
後半はH TOKYOで働きはじめたきっかけから
swimmieのディレクターとなり、現在までの話を聞きました。
ぜひお楽しみに。