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2016.10.03

私の好きなハンカチ episode-15

一番好きなとっておきのハンカチ、つかいかた、思い出など、ハンカチにまつわることを、H TOKYO/swimmieに関わる周辺のひとに、お伺いしていきます。

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15人目はH TOKYOと5年ほど前から一緒にハンカチを作らせていただいている
Able Art Companyの中谷由美子さんです。
キュートな中谷さんのハンカチエピソードはもちろんのこと
Able Art Companyがどんな活動をしているのかも
ぜひ知っていただけたらと思います。

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—お持ちいただいたハンカチの好きなところ、オススメのポイントは何ですか?
今も使ってきたので使用後感がすごくてすみません 笑
これはAble Art Companyと一緒に作っていただいた
ウルシマトモコさんのネコちゃんハンカチです。
正直カンパニーハンカチは全部欲しいんですけど
破産するので「これは!」というものだけ買うようにしていて
一番初めに買わせていただいたのがこのネコちゃんハンカチでした。
もともと作品は知っていましたが
ハンカチとして上がってきた時に色もすごくよくて。
それと作者のウルシマさんがこれ似合いそうだなって思って嬉しかったんです。
本人もリピート買いしすぎててちょっと心配しているんですけれど
いろんな人にプレゼントしているみたいです。

—この間お店にウルシマさんが来てくださって
初めてお会いすることもできました!

すごくおしゃれでかわいい人ですよね!
とても思い出深くて大好きなハンカチです。

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—このネコは切り絵なんですよね?
はい。ウルシマさんは切り絵が得意でこの「名も無きネコ」というシリーズは
彼女の中でもお気に入りで何度も作っていて、思い入れのあるネコだと思います。
そういう意味でもわたしにとって勝負ハンカチです。

—こちらもH TOKYOのハンカチですね?
はい。村田善子さんの「女湯」です。
これは完全に一目惚れでした。絶妙ですよね。
この見切れ感とかも好きですし、自分が銭湯通いしていた時期があるので
これ持って銭湯行きたい!と思いました。

—銭湯通いしてたんですね。
そうなんです。地元の奈良で
半年くらい平屋に一人暮らしをしていた時にお風呂がなくって。
めちゃくちゃボロい小屋みたいな家だったんですけど
自転車で1,2分のところに銭湯があったのでそこに通っていました。
このハンカチを見てその頃のことを思い出しました。
銭湯行っていたものとしてはこれは見逃せない!と思いました。
このハンカチ持ってると銭湯の話になるので
「わたしも銭湯好きです!」みたいな銭湯仲間を見つけられるんです 笑
このハンカチにはそういう特典あります。

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—話のタネになるんですね。
そうなんですよ。はじめは折って隠しておいて
青いチェックみたいに見せかけておいて
ちらっと乳を見せるみたいな感じも好きです 笑
仲良い友達とかにも見せたくって準備している自分がいます。
「こんなん見つけてん!」って。
「絶対好きやと思って持ってきたけどこれはあげないよ〜。自分で買ってね」
っていうんですけど 笑

—これもAble Art Companyさんと一緒に作らせていただいたハンカチですね。
はい。でももったいなくて実はまだ使えていないんです。
色が白いからなかなかおろせなくて。
美しいから汚せないわと思ってしまい。。。
太田さんという作家さんの羊でこれは刺繍ワッペンなので
生地はいろいろアソートで付けて納品していただいたので
気に入った生地は取っておかないと
どんどんなくなっちゃうと思って買ったんですけど
まだそのまま使えていません。

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—まだ新品の状態なんですね!
そうなんです。ノートとかもそうなんですけど
買ったものをおろすのに時間がかかるんです。
気に入ったものを使うのになかなか思いきれなくって。
しばし眺めて楽しんでいます。
一回おろすとガンガン使うんですけど。

—刺繍ワッペンも初めて作ったシリーズでしたね。
はい。他にもこの太田さんのワッペンには
コウモリとライオンがいてかなり迷ったんですけど
これが羊?!っていう感じもよかったんです。
ワッペンは羊のモコモコ感を表現して出してもらったり
ライオンはたてがみがわさわさしてたり
コウモリも羽が少し浮くようになっていたりと
そういう制作エピソードも含めて好きです。
これは自分用なのですが贈り物にも使わせてもらいました。

—贈り物にもしていただけて嬉しいです!
Able Art Company の商品をプレゼントに
使うんですけれど、なかなか男性向けのものがなくて
アクセサリーとか服も女性ものが多くて。
なのでハンカチは男性にもぴったりで父の日にわたしもお父さんにもあげました。
お客さまでも男性へのプレゼントにしている方は多かったと思います。
Able Art Company の男性スタッフも
これなら自分用に買えると喜んでいました。

—この新品ハンカチがおろされるのはいつでしょうか?
ハンカチおろすのは「よし!」と気合を入れるときなんです。実は。
普段は手ぬぐいを愛用しています。
職業柄首に巻けないと不便なので。
ちょっときちんとしたときにハンカチは作っています。
Able Art Company の関西事務局の拠点となる
「Good Job!センター 」のオープンが
間も無くなのでそのときに使いたいと思います。

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—こちらはまたかわいいハンカチですね!
この2枚はもらったんです。
布ものが好きだという認識が周りの人にあるみたいで結構いただくんです。
もう使いすぎてボロボロなんですがもらった時点でも結構ボロボロだったんです 笑
多分フランスとかの古いものでとてもやらかい生地なので
逆にくしゃくしゃにしても気にならなくてよくお弁当包みにしています。
外国のものではありますが昭和っぽいものが好きなので
それにも通ずる感じも好きですね。
昔おばあちゃんの家にあった花柄の琺瑯の鍋みたいなイメージです。

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—これはいつもらったんですか?
中学生から高校生のときによく行っていた
雑貨屋さんがお店を閉めるときに在庫一掃みたいな感じで
「よく来てくれていた子にはこれあげるよ!」ってくれたんです。
これともう一枚もらってよく使っているんですが
あまりにシワシワだったのでお恥ずかしくて今日は持ってくるのをやめました 笑
10年くらいは一緒にいるハンカチです。

—こちらも素敵なブルーのハンカチですね。
これは一昨年くらいにハワイのお土産でもらったんです。
とてもお世話になっていたお姉さんから新婚旅行のお土産でいただきました。
こんな縁があるのかと驚きでしたしハワイアンキルトっぽくもあるのですが
さりげなくてお土産にありがちなバカンス!って感じでもなく
「なんて好みなんだ・・・わかってらっしゃる!」
と感激ですごく気に入っています。
ハンカチをあげることはわたしもよくしていて
喜ばれると「やってやった!」みたいになっていたんですけど
もらって「やられた・・・」と思ったハンカチです。

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—ハンカチを使う上でこだわりはありますか?
自分一人で使って嬉しい気持ちになるのも
もちろんなのですが、小物だからこそ
ちらっと見せたくなるというのも大事かもしれません。
ちらっとだからこそ気になるものを仕込んでおきたいというか。
ウケを狙いにいきがちな関西人ならではかもとは思うんですけど 笑
「ほらこれ使いなよ」みたいな感じで渡して
あえて見せる、みたいのもあるなと自覚しています。
なのでコミュニケーションツールかもしれないなと思っています。

—ハンカチの好きな使い方はありますか?
手ぬぐいを普段使うというお話はしたのですが
やっぱりハンカチはピリッとせねばという時に持ちます。
手ぬぐいがTシャツならハンカチはシャツという
気持ちで使っていると思います。
不安な時のお守りにもなっているかもしれません。
「これ持っていれば話のネタもあるぞ」とか 笑
あとはボロボロになってきたハンカチは
お弁当包みへと変化します。

—ハンカチは何枚お持ちですか?
ヨレヨレの古株のハンカチを含めると20枚くらいです。
手ぬぐいは頻繁に使うものを15枚くらいなので
お弁当包みチームも合わせてですが枚数としてはハンカチが多いですね。

—昔からハンカチは持っていましたか?
何かを持っていないと不安なのは今でもなのですが
記憶にないくらい小さい時は
ハンカチサイズのガーゼをくわえていないと
眠れなかったと母に聞いています。
噛ませておくようのガーゼが常にストックされていたそうです。
ガーゼ素材が今でも安心するのか好きです。
ただ布を集めるのは好きで、持ち歩いてはいなかったですが
部屋で何かを隠すのに使ったりしていました。
大学生くらいの時に好きなブランドの服は
なかなか高くて買えないけれど「ハンカチなら買える!」
みたいな感じでそのマークが欲しいがために買ったりしていました。
なのでスカーフとかも巻かないのに古着で買ったりしていましたね。

—持ち歩くようになったのは最近ですか?
はい。でもH TOKYOさんの影響が大きいです。
話のネタに見せたいので持ち歩く
というような感じです。持っていると安心します。

—ハンカチにまつわる何か思い出はありますか?
祖母が縫い物をする人だったので布にはなじみがありました。
それと祖父がスーツを着てハンカチを持つ人だったので
祖母がアイロンをかけているイメージはあります。
たまに洗濯物をたたむのを手伝う時に
なんだこの四角い薄い布は?!とか思ってました 笑
でもそれを持つのが大人の証だなとも思っていました。

—H TOKYOを知ったきっかけはお仕事ですよね?
はい。ずっとコラボレーションしてくださっていて
わたしは途中からですが引き継がせてもらって
今も一緒にハンカチを作っていただいています。
約3年くらい前ですかね。
Able Art Company の仕事を前任から引き継いで
はじめにさせてもらった仕事だったと思います。
商談とかも初めてくらいの感じでドキドキしていたのをよく覚えています。

—Able Art Companyさんに入ってからはどのくらいですか?
わたしはAble Art Companyの運営事務局である
たんぽぽの家という奈良の施設に入ったのが4年前でした。
3年前に奈良から東京に出てきて
Able Art Companyの仕事をするようになりました。
障害があるアーティストの絵を
色々な方々に使っていただくという仕事を主にしています。
今は奈良に戻ったのですが、東京と違うのは
実際にオフィスにも障害がある方も一緒に働いているという点です。
絵を描いている方ばかりではなく作業をする方も一緒に働いています。
今はその作業を受けるという仕事もしています。

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—H TOKYOでもショップカードや包装紙は福祉作業所にお願いしています。
東京ですとそういった下請け作業って結構あるんです。
会社もメーカーも多いので。
東京来てこんなに仕事あるんだ!って結構衝撃でした。
いろんな施設には行かせていただいていたんですが
仕事ないときがない!みたいな感じで。
ただ田舎にはなかなかないんですよ。
なので田舎の作業所のほうが意外とアート活動が盛んだったりするんです。
奈良でも絵を描きつつ作業という感じなのですが、
下請け作業があまりないので
もう少し製品開発などを一緒にやりましょうということをしています。

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—Able Art Companyさんの登録作家さんは全国にいらっしゃるんですよね?
はい。今は104人登録作家さんがいます。
カンパニーも今年で10年になるのですが
毎年応募してくださる方も変わってきていています。
はじめはアート活動をしている施設の
職員さんがこの人の絵すごいんだけど
何かできないだろうかと思っていて、
ただ自分たちでやろうとするとなかなか限界があるので
カンパニーを知って応募くださる方が多かったんです。
最近はご自身に障害があって応募してくださる作家さんも増えています。
なかなか仕事に結びつかないというところで
何かできればと応募してくだっているように思います。

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—作家さんは定期的に新作などを発表されるのですか?
新作ある方は送ってくださいというような募集をかけて送ってもらっています。
作家さんはみなさん筆が早いのでWEBへのアップ作業などは
追いつかなくてなかなか大変です。

—Able Art Companyさんの活動も知っていただいて
この素敵な作品がもっと世に出て行くといいですね。

そうなったら嬉しいです。
お仕事募集中です!
H TOKYOさんとのコラボレーションは
作家さんのモチベーションにもなっていて
新しい作家さんの応募動機の中には
「ハンカチになりたかった」
という方もいらっしゃいますよ!
ハンカチですと男女問わず贈り物にもできるので
作家さん自身やご家族も嬉しいのだと思います。

—すごく嬉しいです。新作も一緒に作りたいです。
いい作品いっぱいなのでまたご案内しますね!

—ありがとうございました。
これからも一緒にまたいいハンカチを作っていかれたらと思います。



中谷由美子  Yumiko Nakatani
1988年奈良生まれ。障害のある人の表現のおもしろさに惹かれ、
2013年に奈良の福祉施設「たんぽぽの家アートセンターHANA」に就職。
その後、20145月より東京に移りNPO法人エイブル・アート・ジャパン」
に勤務し、
エイブルアート・カンパニースタッフとして
主にアーティストのマネジメントと商品の販売等を担当。
2016年5月に奈良に戻り、現在は「Good Job!センター香芝」に勤務。