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2019.12.15

新作ハンカチ -nakaban-

nkb010 USE IT OR LOSE IT

USE IT OR LOSE IT///

それは使わなければ無いも同じ。

その英語のことわざの、語呂の良さとそのストレートなメッセージが気に入って、書きとめた紙片を壁に長らく貼っていた。
大切な時間や技能をドブに捨てたくはない、と思った瞬間があったからだ。
ある日、「ねずみのハンカチ」の図柄を思案していたとき、忘れていたその紙片が目に留まった。
ちょろ、ちょろ、と動き回る働き者のねずみとその言葉。
その二つが理屈抜きでシンクロするような気がして、ひとつコラージュしてみようかと思い立った。
ねずみを一匹、二匹…と貼っていき、黄色い色紙でバランスをとる。
そして例の紙片を貼る。
半年も貼られなんだか壁に馴染んでいた紙片を取り去るとき、少しだけさみしい気がした。
しかしそこで躊躇してはいけない。
何しろ use it or lose it とことわざに教えられたからだ。

40cm square,cotton 100%,2000yen+tax

今年はありがたいことに、nakabanさんの新作ハンカチを
4種類もリリースさせていただくことができた。

ある日、「先日こんな絵を描きました。もしかしたらswimmieのハンカチ図案によいのでは…」と、ご提案をいただいたこともあった。
そして、それは素晴らしくハンカチにぴったりで、
おもわず「わぉ」と声を出していた自分にはっとした。
nakabanさんの頭の片隅にハンカチという存在があることもうれしかった。

2020年の干支ハンカチは「ぜひnakabanさんに!」とご依頼させていただいた。
毎回、想像を裏切ってくださる引き出しの多さにも驚かされる。

「USE IT OR LOSE IT」
nakabanさんのアトリエの壁にあった紙片が、
ハンカチになり、ポケットの中からエールをおくってくれるようだ。
この「幸せの黄色いハンカチ」とともに、節目となる新年を迎えたい。

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nakaban なかばん
画家。広島市在住。絵画作品を中心に数多くの挿絵、文章、絵本等を発表する。新潮社『とんぼの本』や書店『Title』のロゴマークを制作。
主な著作は書籍『窓から見える世界の風』(福島あずさ著/創元社)、『ことばの生まれる景色』(辻山良雄著/ナナロク社)、絵本『ぼくとたいようのふね』(BL出版)等。