news

2015.10.03

私の好きなハンカチ episode-3

一番好きなとっておきのハンカチ、つかいかた、思い出など、ハンカチにまつわることを、H TOKYO/swimmieに関わる周辺のひとに、お伺いしていきます。

///

3人目はデザイナー・赤塚桂子さんです。
赤塚さんはSOC TOKYOのアートディレクターとして
関わってくださっています。

keiko01

—お持ちいただいたハンカチの好きなところ、オススメのポイントは何ですか?
ひとつめは子どもの頃に使ってたこの2枚のハンカチなんです。
一生捨てられないなっていう大切にしているハンカチです。
キャンディキャンディのは何かの付録で柄というよりか
このガーゼっぽい質感が大好きでした。
オレンジ色のハンカチの方は親戚のおばちゃんからもらったものです。
子どもでこんな柄なんて渋い小学生ですよね 笑
でも幼いながらこの柄にも影響を受けたんじゃないかな。
確か外国のアパレルのものだったと思います。

keiko02

—「けいこ」ってペンで書いてあるのがいいですね。
そうなんです。母親が書いてくれたこの「けいこ」が
すごく思い出に残っていて。
前の日の晩に母親がハンカチにアイロンをかけてくれてて
それをいつも見ていたので
ハンカチというとやっぱり「母」が浮かんできますね。

—状態もすごくきれいですね。
母はとてもきちんとした人なのできれいにしてくれていて
傷みもなく今もこうして残っています。
小さい頃から使っているハンカチは捨てて行くものも多いですけど
この2枚だけは使えないけど捨てられないです。結構な年代物ですね。

—キャンディキャンディは好きだったんですか?
正直、柄はどうでもよかったんです  笑
大きさもすごく気に入っていましたし、
この素材感は他に持って無かったので惹かれたのだと思います。

—3枚目のハンカチにはどんな思い出がありますか?
これは日本で買ったんですけど、アラスカの地図が描かれています。
アラスカに行ってみてすごく好きになった場所だったので
これを見たときに「もう買うしか無い!」って思いました。
素材もしっかりしているのでアイロンをかけなくてもいいですし、
ガシガシ洗えて、大判で使い勝手がいいんです。
かばんに1枚あると寒いときにさっと肩にかけたりもできて便利なんですよね。
しかもなかなかアラスカの柄って無くて。

keiko04

—この地図の中で行った場所も描かれていますか?
描かれていますよ。このフェアバンクスというところから
最北へワゴン車で1600kmの旅をしたんです。
マイナス45度を体感しました。
雪の中でランチをしたり、冷寒地帯に生息する動物見たり、
森の中を抜けて狩猟民族に家でお話を伺ったり、
湖でニジマスを釣って料理して食べたりもしましたね。
オーロラも毎日のように見れて、なかなか体験できないとても楽しい旅でしたね。
思い出のある場所の地図ハンカチっていいなぁと思って。

—4枚目は赤塚さんご自身の作品ですよね。
はい。第1回目の世田谷パン祭りの時に作らせていただいたハンカチです。
ハンカチにデザインをしたのは初めてでした。
最初は自分のイラストがどう表現されるのか心配でした。
でもプリント屋さんの技術が素晴らしくて。
初めての時は工場にも行ったんですよ。
とても詳しく教えてくれましたし、色出しもたくさんしてくれました、
思い出深いですね。
金色のイメージを持っていた色が難しいかなと思ったのですが、
そのあたりもうまい感じに表現してくれました。
一番始めはやっぱり制作に時間がかかりましたね。
こんな感じはでるのかな…とか試行錯誤の繰り返し、結構悩みました。
今は仕上がりがイメージできるから制作も早くなった方だと思います。
いつもギリギリ納期で迷惑をかけてはおりますが…苦笑

keiko03

—ハンカチにデザインするってなった時はどうでしたか?
実はね、すっごい嬉しかった!
テキスタイルが大好きだったし、
ハンカチってファッションのひとつとして捉えていたので。
オシャレしてても汚いハンカチが出て来たら嫌じゃないですか  笑
気に入ったものを持ち歩けるキーケースのような気持ちで作りました。
持ち歩けるからこそ気に入ったものでないとと思ってて。
なのでそういうものを作れるんだ!やったー!って 笑

—デザインを終えてみて変わったことはありますか?
そうですね、旦那さんにあげたりなどプレゼントに
ハンカチを選ぶようになりました。
それまでは自分用にしか買って来なかったように思います。
それにこうやって何度もプリントをしてもらって
今も売ってもらえていることも素敵なことだと思っています。
ハンカチならではというか、とても嬉しいです!

—H TOKYOのハンカチを知ったきっかけはなんですか?
スクーリングパッドですね。その時は代表の黒崎さんから
三宿にハンカチ屋があるんだよって教えてもらったくらいでした。
その後、世田谷パン祭のデザインをすることになって
はじめてお店に行ったんです。
なのでかれこれ5年のお付き合いになりますね。
ハンカチを意識し始めたのはH TOKYOさんに出会ってからなんですよ。
アーティストのハンカチがたくさんあるっていうのが
とても面白いなって思いました。
それにH TOKYOのハンカチは仕立てがしっかりしてますよね。
縫製方法も生地やデザインにきちんと合わせていてきれいだと思います。

—他に好きなハンカチはありますか?
H TOKYOを知る前はヴィヴィアン・ウェストウッドばっかり買っていたんです。
やっぱりわたしは柄が重要で、いいなと思う柄がそれまで
自分の好み的にヴィヴィアン・ウェストウッドしかなかったんですよね。
毎シーズン色々デザインがあったので選ぶのも楽しかったです。
棚の端から端まで見てました。
ハンカチ売場に1時間とか平気でいるくらい 笑
凝った作りのものも多かったですし、色も素敵だったのでかなり影響を受けました。

—ハンカチに対するこだわりを教えてください。
もちろん柄と素材感、何か工夫してあると惹かれますね。あとは発色かな。
デザインの仕事をしているのでこれはすごいなって思うもの
例えばこれは自分からは生まれないなとか、このひとのイラストや
手仕事が素晴らしいなとか思ったものに惹かれる気がします。

—好きなハンカチの使い方はありますか?
白い服を着ていることが多いせいか、
食事をするときに堂々とお店で首に巻くのが実はとても好きです。
柄を見せる感じで。
クライアントさんなどと一緒に食べる時でも堂々と巻きます。
だから柄はすごく大事なんですよ。見せるからね  笑
こう例えればふたりで向かい合って同じように首に巻いていると
そこだけなんか雰囲気がいいじゃないですか?
そういう使い方が好きです。

—ハンカチは全体で何枚くらいお持ちですか?
30枚くらいはあると思います。
ヴィヴィアン・ウェストウッドもまだありますよ。
でもH TOKYOのハンカチも増えました。
ハンカチは毎日バッグに入ってます。

—ハンカチにまつわる思い出はありますか?
男性が貸してくれた時って嬉しいなって印象が残っています。
例えば映画を見て泣いていたら、さっと出してくれたりするとか。
ハンカチって実はプライベートな匂いのするものじゃないですか?
自分で洗濯もするし。
人のものを借りたっていう意識が強いので
“それを貸してくれた”っていうのがシェアされた感じがして嬉しいですね。
わたしの旦那さんも貸してくれたことありますよ。
お気に入りの鳥柄のハンカチだったかな。
そういう使い方、男性はいいんじゃないですかね。もてそう 笑
オススメします!恋愛にはぜひハンカチを  笑

keiko05



KEIKO AKATSUKA
Designs like Perfume.時には薬となり、時には華やかに調合され、五感で感じとるデザイン。パッケージデザインを中心に、グラフィックデザイン、CI/VI、ディスプレイデザイン、ファッションデザインまで幅広く手がける。