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2016.09.03

私の好きなハンカチ episode-14

一番好きなとっておきのハンカチ、つかいかた、思い出など、ハンカチにまつわることを、H TOKYO/swimmieに関わる周辺のひとに、お伺いしていきます。

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14人目はH TOKYO京都店 店長の清野郁美さんです。
もうすぐ2周年を迎える京都店。
実はH TOKYO/swimmie全店の中で一番の広い店舗で、
品揃えも一番かもしれません。
毎日ハンカチに囲まれて働いているスタッフは
どんなハンカチが好きなのでしょうか。

a

—1枚目というか、1組目はH TOKYOのフレンチヘムハンカチですね。
そうです。
この高級感がとても好きで、ずっとペアで欲しいと思っていたハンカチです。
いつか自分の気持ちが特別なときに買おうと決めていたものです。
今年結婚したのですが、このタイミングだ!と思い、
自分たちの結婚祝いに買いました。
ペアになると、いいお値段もするので、なかなか手がでなかったんです。
ラブラブなエピソードは基本ない夫婦なのですが、
せっかくハンカチに携った仕事をしているので、
こういうことならしてみるのもいいかなと思ったんです。
結婚式用にというのではなくて、
誕生日や結婚記念日などの特別なお食事に行くときに
夫婦で揃って使っています。
年に数回しか使うことはないんですが、
そんな特別なハンカチがあってもいいなと思って。
この使い方をしてみて、とてもよかったので、
親友の結婚祝いにも同じものをあげました。

b

—夫婦ハンカチですね!とても素敵な持ち方ですね。
ハンカチ以外でペアで揃えて使っているものはありますか?
ないですね…夫婦茶碗さえも使ってないですね。
一緒に買ったわけではないですが、
それぞれが記念に買ったTシャツくらいですかね。
でも一緒に着ることは絶対ないですね 笑
ハンカチだからペアで持てるんですよね。
ずっと外にでているものではないですし、
もし他人にお揃いだと気づかれてもおしゃれですし。
同じタイミングで意識的に持てる唯一のものですね。

—こちらは同じハンカチが2枚ですね!
2枚同じものを持っているのはこれだけですね。
このハンカチが入荷してきたときに一目惚れをしたんです。
もう再生産されないハンカチだなと思ってまず一枚買いました。
お気に入りでしたし、少し高かったこともあって
ずっと大事にしまっておいたんです。
それからしばらくして、サンプルセールで同じものを見つけて
「これは!」と、もう一枚買いました。
同じ生地といっても、切り取った場所が違うので、柄の見え方も違いますし、
これは2枚持っておきたいハンカチだと思ったんです。
B品といっても、ちょっと縫製が歪んでいただけでしたし。
2枚ある安心感から、普段使いするようになりました。
キレイめでもカジュアルでもあわせられますし、
しっかりはしてますが薄手で夏場でも持ってて気持ちいいんです。

c

—どちらもつかっているんですか?
サンプルセールで買った方だけです 笑
ほとんど同じものなのに、値段という自分の気の持ちようで
使い方がかわってくるなんておもしろいですよね。

—モノの価値って…とか考えちゃいますね。
このハンカチ、実は私も欲しかったです…
だれかのお気に入りって聞くと、また価値があがってうらやましくなりますね。

—3枚目はどんなハンカチですか?
仕事を達成した自分へのご褒美に買ったものです。
これはもしかしたら一番のお気に入りかもしれません。
こんな柄も、織りも、色も生地感も他にないでじゃないですか。
2000円以上のものはなかなか買っても普段使いできない気持ちの小さい私が、
「使わない」という我慢ができなかったくらい、溺愛しています。
使いすぎてハンドロールの縫製が少しほつれてきてしまったんですが、
そのほつれすらもかわいく思えてしまって、
縫製屋さんでお直しももちろんできるのですが、このままにしています。

d

—そんなに溺愛するほどのハンカチに出会えたんですね。
さきほどのハンカチのように2枚買おうとは思わなかったんですか?
最後の一枚になったときに、どうしようかとても悩んだんですが、
好きすぎて、このハンカチの良さをひとりでも多くの人に知ってもらいたい!
っていう気持ちになったんです。
このハンカチを選んでくださった方には親近感が湧きましたね。

—4枚目はリバティプリントのハンカチですね。
色味が清野さん!っていう感じですね。
そうですね 笑
いままでリバティの柄にあまり興味がなかったのですが、
リバティにもこんなのがあるんだ!と自分の中でのイメージがかわって
テンションがあがった柄です。
柄もくすんだ色合いも好きです。
最後の一枚をお客様が気に入ってくださったんですが、
最終的にお選びにならなかったので、もうこれは私が買うしかない、
私のところにくる運命だったんだと思って購入しました。
もちろんそのときは、お客様にご購入いただきたいと思っていたのですが、
心のどこかで旅立ってくれるな…って思ってしまっていたかもしれません 笑
他のスタッフ曰く、「このハンカチめっちゃいいですよね!私もほしいです」って
何回もいっていたようです。

e

—5枚目は一番カラフルですね。
アサクラコウヘイさんの「フジサンハンカチ」ですね。
H TOKYOの面接のときに持っていった思い出のハンカチです。
赤富士で縁起がいいかなと思ったのと、面接が終わってから、
富士山の麓の朝霧ジャムに行く予定だったんです。
もうこのハンカチしかないという日だったんです。
すごく狙って持っていったというんじゃないのですが 笑
面接の時にもこれを持っていたことで、
話も盛り上がったので一役買っててくれたと思います。
合格していまここにいるので、本当に縁起のいいハンカチになりました。
お客様にもそんな話をしますね。

f

—ドンピシャですね!
入社前ということですが、どちらで購入されたのですか?
前職は雑貨屋で勤務をしていたのですが、
そこでH TOKYOを取り扱っていたんです。
そのときに直感で「あ、かわいいな」って思って買いました。
フェスなどのアウトドアに行くことも多いので、
そういう時の服装に合わせたいなと思って購入しました。

f2

*朝霧ジャムでハンカチと。

—入社する前はH TOKYOのことはどのように思っていたんですか?
簡単に一言でいうと「おしゃれだな」「おもしろそうだな」って思ってました。
それから、若い方が多く働いているなという印象で
みなさんが楽しんで作っているんだろうなと思っていました。
新しいものや新しいことを、どんどんみなさんの感覚で
つくっていっているんだろうということが
外から見ていてうらやましいなと思ってみていました。
それから、swimmie立ち上げの際のお披露目イベントに行った元同僚から
展示の写真を見せてもらったんですが、なんかすごいなって思って。
すごい衝撃だったんです。
ブランド立ち上げにこんなにブランドの魅力をつたえられる空間が
演出ができるのはすごいなって客観的に思いました。
その場に実際行ってみたかったです。

—ありがとうございます。
客観的にそんな風に見てくれていたことを知って、とてもうれしいです。

それからどういうきっかけで入社したんですか?
体調を崩して前の職場を一旦退社したのですが、
もう一度前の職場に復帰をしようかと考えていたときに
H TOKYO京都店がオープンするにあたり、
店長職になる人の募集もしていると聞いたんです。
このまま前職に戻ったら、もうずっとそこにいるだろうな、
新しいことを始めるとしたら、
このタイミングしか、たぶんないなと思っていたのです。
自分のタイミングとH TOKYOでの募集のタイミングが、
こんなにばっちり合うのも何かの縁なんだろうなと思って
思い切って挑戦をしてみることにしました。

—入社前と入社後ではハンカチの選び方に違いはありますか?
以前は色や柄をみて、直感で選んでいたのですが、
今は生地感をよくみるようになりました。
「この素材でこんな肌触りなんだ」とか「この生地感でこの値段はお得」とか。
たくさんの種類のハンカチに触れることで、
同じ組成のコットンやリネンでも違いを感じるようになりました。
とくにリネン素材のハンカチが私にとっては特別感があって、
持っているとテンションがあがりますね。

—ハンカチは何枚お持ちですか?
なくしてしまったものなどもあるのですが、
現存するのは60-70枚くらいですかね。

—そのうちH TOKYO/swimmieの占める割合はどのくらいですか?
今となっては、ほぼ全部です 笑

—H TOKYOのハンカチに出会うまではどんなハンカチを使っていたんですか?
もらいものが多かったです。
ハンカチはいつも持って使ってはいましたが、
ハンカチ自体に意識はもっていなかったですね。
今のように、朝、ハンカチを選ぶのが楽しいとかはなくて、
選べるほどの種類も持っていなかったし、
あるものの中でなんとなく使っていた感じです。

—毎朝のハンカチ選びはどのようにしていますか?
着る服を決めてから、それに合うようにハンカチを選ぶことが多いですね。
たまにその逆もありますけど。
仕事の日はしっかりとしたコットンのハンカチで
H TOKYOのカテゴリーでいうと
スタンダードUSA生地のハンカチが多いですね。
お休みの日は今日持ってきたようなハンカチを使うことが多いです。

—ハンカチを選ぶポイントはどんなところですか?
自分の持っている服に合うか合わないかが
私の中では大きなポイントになってくるんです。
普段あまりピンク系の洋服を着たりしないのですが、
ハンカチならそういう色味のものも持てますし、
逆にポイントになってくるのでいいです。
「あ、私、おしゃれなことしてるな」って思うんです 笑

—ハンカチにまつわる思い出はありますか?
入社当時に「清野さんのニックネームまだないねー」って言われて
マネージャーがつけてくれたのが、
入社当時よく着ていたグリーンとホワイトのボーダー柄のワンピースにちなんで
「ぐりちゃん」だったんです。
ニックネームつけてくれるなんておもしろい会社だなーって思って 笑
名付け親のマネージャーは、はずかしいらしくて
「ぐりちゃん」とは呼んでくれないんですが 笑
そんな記念になったワンピースとまったく同じ生地のハンカチが出たときには
もしかして私のことを意識してくれたのかなと、うれしくなったので
そのハンカチはもちろん思い出として購入しました。

g

—「ぐりちゃん」ニックネームとしてはあまり根付かなかったですね 笑
それまでは意識していなかったハンカチというものが、
H TOKYOやswimmieをきっかけに好きになってもらえて、
それを一緒に伝える側にもなってもらえたことは、本当にうれしいです!
ハンカチの数だけ何かしらの思い出がありますね。
これからもよろしくお願いします!
ありがとうございました。



清野郁美  ikumi seino
1984年生まれ、京都生まれ京都育ち。
ハンカチ、本、映画とお酒があれば楽しく過ごせます。

2016.08.03

僕の好きなハンカチ episode-13

一番好きなとっておきのハンカチ、つかいかた、思い出など、ハンカチにまつわることを、H TOKYO/swimmieに関わる周辺のひとに、お伺いしていきます。

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13人目は株式会社ベイクルーズFood Visual Coodinatorの三木穣さんです。
三木さんはH TOKYOが三宿にオープンして間も無くからの常連さんです。
かれこれ7年ほどH TOKYOを愛してくださっている三木さんに
ハンカチのこだわりや選び方、三宿店との想い出なども伺いました。

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—お持ちいただいたハンカチの好きなところ、オススメのポイントを教えていただきたいのですが、これはだいぶ古いですね!
そうなんですよ。たぶん、タグも旧タグだと思います。
もう1枚旧タグのものを持っていたんですがそれはなくしちゃったんですよね。
一番最初プレゼントでハンカチをもらってそれでそのハンカチが気に入って
H TOKYOに来るようになったんです。
それが8年くらい前のことですね。
もらったハンカチはガーゼのハンカチで
吸水性がよくていいよーって言われて使ってみたらすごくよくて
ここに来た時にガーゼ生地の吸水性のいいものが欲しいって話したんです。
その時はあんまり種類はなかったんですけど選んだのがこれです。
だいぶくてっちゃってはいるけれど最初はもっとふんわりしてました。
これが自分で買った一番最初のH TOKYOのハンカチです。

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※このタグは旧タグでオープンから2年ほど使用していたもの。

—ご友人にいただいたハンカチにも刺繍は入っていたんですか?
もらったやつにも刺繍が入っててすごいかわいいねって話してて
こういうお店があるよって教えてもらったんですよ。
紺のギンガムチェックをもらって
すごい気に入ってたんだけどどっか行っちゃいました 笑

—しかもこのハンカチに入っている刺繍の字体も今はない古いものですね。
そうですよね。この字体なくなっちゃいましたよね。
気に入ってたので残念ですけど。

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—今でも使ってくださっているんですね。
まあちぎれなければ捨てないから 笑
一応今でも持っています。

—刺繍も8年たってもほつれてないですね。安心しました。
刺繍がほつれたってことは今までないかな。
今まで使っててタグが取れたってことはあったけど
切れたりしたこともないですよ。

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—続いてのハンカチが2番目に古いハンカチですか?
その間にも色々買ってはいるので
これも最近っていえば割と最近のものではあると思うんですが
これはアメリカの生地ですよね?

—まさにそうです!さすがによくご存知ですね。
このアメリカの生地がすごいたくさん入ってた時期があって
その時買いあさってたんですよ。
家にもサーフィンの柄のものとか
工具がいっぱい描いてある柄のものとかいっぱい持っていますよ。
だからどれを持ってこようかなって悩みました。
でもこの頃刺繍をする時にサイズでも色々遊べますよって話を聞いたので、
早速刺繍のサイズで遊んでみて。そのハンカチを持ってきました。
でも結局自分のはこれだけでした。
人にプレゼントする時は結構この文字の大きさで遊んでいました。
当時よく自転車に乗っていてチャリ通もしていて
自転車も好きだったので速攻で買ったと思います。

—年季も入っていますね。
でも正直最近は使っていないです。
白っぽいやつってやっぱり汚れちゃうんですよね。
白い柄はすごい好きなんですけど。
汚れるっているかたたむ時に刺繍が見えるようにするから
必然的にここばっかり使っちゃうんですよ。
ひっくり返したりして使わないといけないなーとは思っていたんですけど。
だから別の面は割と綺麗なんですよ。
でも刺繍が見えてたほうがかわいいからね。

—こちらもアメリカの生地ですね。
そうなんだ!それは意識してなかったな。
当時柄の中でドットが一番好きで。なんでも。
チェックとかストライプに比べると
ドットの生地ってあんまり流通してないと思うんですよ。
だからここに来てドットがあったらいっつも速攻で買ってて。
家にもドットの柄のやつはあと2、3枚かもっと持っていると思います。
その中でもこれが一番使っているのがこのハンカチです。

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—好きな理由はなんですか?
紫が結構好きっていうのがあります。
黒と紫が好きな色なんですよ。
あと大玉感が他にあんまりないっていうのと
色が好きだから自分の服に合わせやすいんですよ。
たぶん、一番使っていると思います。
あとこのコットンの厚手の生地がしっかりしててもつし使いやすいんですよ。
最初はガーゼのものとか麻のものとかもよく買っていたつもりなんですが
使っていくうちに機能性とか考えてコットンがやっぱりよくて使っています。
あと黒だと汚れが目立たないのでこれが一番よく使ってますね。
あと2、3枚ヘビロテしているのもあるんですけど
それはジャンルを幅広くお見せしようかと思って
今日は持ってくるのをやめました 笑

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—これは最近買っていただいたSTOMACHACHE.さんのハンカチですね。
はい。これは一番最近買ったものです。
イラストレーターとか作家さんとかデザイナーさんとか
そういった類のハンカチの中で一番よく使っているものです。
ここのお店に通い始めてから自分の仕事も徐々に変化して行って
イラストレーターとか作家さんと一緒に仕事をする機会が増えてきて
実は有田さん*1にも仕事をお願いしたことがあったりとか
STOMACHACHE.さん*2も一緒に仕事をしたことがあって。
他にもうちのパンケーキのお店と一緒にハンカチ作ったりして、
そういった面で仕事ともリンクしていたりしてくるなっていう部分もありました。

*1 図案作家の有田昌史さん。以前のインタビューはこちら
*2 STOMACHACHE.

—三木さんはお引越しされてからもずっと来てくださって7年間変わらず三宿店でハンカチを見ていただいて本当にありがたいです。
ここは一番来やすいんですよね。
来やすいって言ってもアクセスはむちゃくちゃ言いわけじゃないけど 笑
でもなんか落ち着くじゃないですか?
アットホーム感と言うか、三宿っていう地域もいいですよね。
昔は近くに住んでたから今よりよく来てたんですよね。

—奥さまともよく来てくださってましたよね。
奥さんと付き合い始めてからと
ここに来始めたのがちょうど同じくらいの時期だから歴史は結構近いんですよ。
うちの奥さんが持っているハンカチも古いものが多いと思います。

—何か三宿店の変化とかは感じますか?
男性のハンカチ専門店っていうコンセプトでシャツ生地を使っているところは
はじめ来た時すごくいいなと思ったし、お店の雰囲気もすごくいいと思いました。
そのあとしばらくしてアメリカの生地とかが入ってきた時は
自分がアメリカンな生地がすごく好きだから嬉しかったですね。
KITTEのお店もできて、
どんどんオリジナルのプリント生地も始めたじゃないですか?
ドットのやつとか。個人的に嬉しくてそれも家にありますよ。
ここだけで小さくやっていた時は
少量だったから仕入れられた生地もあっただろうし
店舗展開をしていく中でオリジナルも作れるようになったり
さらに広がってコラボをしたりっていう風になっていくと思うので
ビジネスを拡大していくにあたっては当然の流れかなと思いました。
消費者として僕個人としてはもちろんお店は
ここ三宿だけであってほしいけど 笑
でもそういった流れとか背景とが僕もサラリーマンをやってるし、わかるからね。

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※今回お持ちいただいたハンカチたち。

—ハンカチのこだわりを教えてください。
まず好きなものを選ぶこと。
直感でしか買わないんで、これいいなって思ったら買う。
あとは靴下みたいな感じで
表からは見えなくてでもある瞬間に見えるタイミングもあって。
自分だけが楽しむコーディネイトが一番かなと思います。
その日着る洋服を決めて、ハンカチどれにしようかなって選ぶ楽しさと言うか。
ホント洋服と一緒でこのシャツ買ってこのパンツ買ったら
今度このスニーカー欲しいなって思う感じ。
夏になるとこういう服買ったから
こんな色のハンカチ欲しいなとかはいつも考えてます。
なので必然的にその時の自分の服のコーディネイトで使う色が偏ってくるので。
冬場は明るい色のハンカチを持つことが多いです。
アウターもボトムも暗くなるから明るいハンカチを持つんです。
逆に夏場の方が暗めのハンカチを持つことが多いです。
夏は明るい洋服を着ることが多いので暗めのハンカチを合わせるんですよ。

—なるほど!イメージとしては色味は逆かなと思ったんですが全体のバランスを考えるとそうなるんですね。
そう。僕の場合はね。
でも買う季節は選んでいないんですよ。
気に入ったら買っちゃうから。
夏に気に入って買ってあまり使わなかったとしても
冬になったら登場する機会が増えたりとかしますね。
洋服だとウールは冬で夏は麻が多かったりとかするけど
ハンカチは僕の場合はコットンが一番好きだから
買う季節も使う季節も問わないんですよ。
気に入ったら買っちゃうんで。
感覚としてはTシャツとかスニーカーに近いかな。

—好きなハンカチの使い方はやはりコーディネイトですか?
そうですね。
こだわりと使い方っていうのはリンクしてますね。
先ほども話しましたけど
暗めの服の時は同系色の明るめのハンカチを合わせたり。
最近は黒とかグレイとかのハンカチを使うことが多いですね。
ちょっと前に買った黒の迷彩もめっちゃ使ってますよ。
あとはネイビーの服を着ることが多いからブルー系のハンカチとかね。

—ちなみにハンカチはどこに入れますか?
パンツの後ろのポケットですね。
ファッション的にはお尻に入れたほうが
ちょっと見えて可愛いかなと思ってます。

—ハンカチは何枚お持ちですか?
40枚くらいちょいですかね。
ほぼここのハンカチですよ。
2枚くらいしか他のブランドのはないんじゃないかな?

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※三木さんご本人から画像をいただいたご自宅にあるハンカチコレクション。

—ホントですか?!すごく嬉しいです!
はい。もともとハンカチを使う習慣がなかったので
友達からここのハンカチをもらって使ってみて
便利だなって思うようになったんですよ。
それまでは夏場にハンドタオルとかは
カバンの中に入れて持ってましたけど
ポケットの中に入れて持ってなかったです。

—ずっと昔からハンカチ男子なのかと思っていました!
いやいや全然 笑
初めて持ったのが30歳くらいなんですよ。
大人として持っててもいいのかなと思って。
だからH TOKYOのハンカチしかほとんど持っていないんですよ。
それ以外のものは人からもらったハンカチくらいですかね。

—実際に持ってみて便利だなって思いましたか?
そうですね。
まあ無くても生活はできるけど
今はたまに忘れると無くて困るな!って思いますよ。
トイレでペーパータオルとかあっても今は使わないんで。
あと夏場は汗をかくからやっぱりあったほうがいいですよね。
ファッション面と機能面両方で使っていますよ。

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※こちらも三木さんご本人から画像をいただいたH TOKYOハンカチコレクション。

—何かハンカチにまつわる思い出はありますか?
思い出ではないけど人に結構プレゼントしますね。
刺繍を入れるとオンリーワンなものになるから人からも喜ばれますし。
誕生日とか結婚祝いとかにハンカチをペアであげたりもしますね。
ネームが入っていると絶対喜んでくれるから
その反応が僕も嬉しいですね。
その人を自分の中でイメージして生地と刺繍を選んで
それがマッチしてた時とかはホント嬉しいです。

—三木さんはご自身のハンカチも絶対刺繍を入れてくださってますよね。
はい。刺繍入れないと面白くないと思うんですよ。
刺繍を入れて初めてオンリーワンなものになって
自分としてより満足度というか価値が上がる
と言うところがあると思うんで。

—字体や色にもこだわりはありますか?
昔はキュートでキュートがなくなってからは
ユニークしかほとんど使ってないですね。
あとはエアーかな。その時の気分で選んでます。
あとは買ったハンカチを日常的に使うのか
それともちょっと綺麗めな洋服に合わせるのかとかその辺りも考えてます。
ほとんどユニークを使いますけど
でも柄によってはエアーのがいいかなと思えば
エアーを入れる時もあります。
刺繍の色は昔は赤が好きで色として刺繍が映えるし、
赤しか入れてなかったんですけど
最近は違う色もいいなと思って入れることが増えました。

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※こちらが三木さんのお好きな字体「ユニーク」。デザインに紛れ込ませるセンスがさすがです。

—確かに三木さんは赤の刺繍が多かったですね!
スタッフ間でも三木さんの思い出話は他にもたくさんあります。
自分の歴史とともにここも進んでいるからなんかリンクしている感じですよね。

—ありがとうございました。
三木さんのハンカチコレクションにはスタッフもびっくりするほどでした。
ずっとH TOKYOのハンカチを使って下さりこんなに嬉しいことはありません。
これからも楽しんでいただけるお店でありたいと改めて背筋が伸びる思いでした。



三木穣
1976年神奈川県平塚市生まれ。
2001株式会社ベイクルーズに入社。
JOURNAL STANDARDショップスタッフとして4年勤務の後、FOOD部門へ異動。3年の店長勤務を経て、販売促進・空間演出を担当するヴィジュアルコーディネーターの現職に至る。最近は3年ぶりに再開したサーフィンが趣味。

2016.07.03

私の好きなハンカチ epidode-12

一番好きなとっておきのハンカチ、つかいかた、思い出など、ハンカチにまつわることを、H TOKYO/swimmieに関わる周辺のひとに、お伺いしていきます。

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12人目はスイス在住のイラストレーター、葵・フーバーさんです。
3月末にオープンしたswimmie銀座店限定のハンカチをつくっていただきました。
小さい頃から布が大好きな葵さん。
幼き日のことやスイスのハンカチなど…
興味深いお話とハンカチを披露してくださいました。
とてもチャーミングで気さくなお人柄で
いつまでもお話をお伺いしていたかったです。

a

—たくさんのハンカチをスイスからお持ちいただいてありがとうございます。
キレイなのがあったら新しいものを買ってこようと思ったんですが、
わざわざ買うほどのいいものがなくて…
使ったものをもってきたの。
洗ってアイロンをかけたんですが、あまりキレイにならなくて…

b

—スイスではどんなハンカチが販売されているのですか?
スイスではこれが一番普通ね。
チロル地方の伝統柄のハンカチでちょっと首に巻いたりとかもするわね。
バンダナに近いものを感じますが、
素材表記がドイツ語やフランス語もかいてあったり、
模様も少し違ったり、ヨーロッパのものという感じがどことなくありますよね。

c

—こちらの鮮やかな色のハンカチはどういったものなのですか?
実家の引き出しに入っていたもので、50年くらい前に父(河野鷹思氏)が
初めてスイスに行ったときに買ってきたお土産だと思うわ。
エーデルワイスなどの高山植物が描かれているわね。
登山鉄道の駅の売店で売っていたりするんだけど、こんなの素敵なのは今や売っていないわね。

d

これもお土産でもらったものだと思うわ。
長方形のフォンデュの柄はハンカチではないけど、どちらもお料理の柄ね。

e

父はハンカチが大好きでお土産はいつもハンカチだったの。
今はもうどこかへいってしまったわ。
私もお土産はハンカチにしてるの。軽いしね。
工場から直接仕入れたような町の洋服屋さんがあって、そこで買ったりもするの。
となりのコモ(スイスとの国境にあるイタリアの町)は絹の産地でそこにはスカーフやネクタイのお店があったりするわ。
ハンカチの専門店はないはね。
H TOKYOやswimmieみたいにあんな素敵なお店は世界にないんじゃないかしら。調べた訳ではないけど。
アイロンもかけてくださって、あれはいいサービスね。
スイスやイタリアだとそんなことにも気づかないから。
話してもマネしようと思わないわね、きっと。笑

f
*H TOKYOでお買い求めいただいた葵さんのお気に入りのハンカチ

—ありがとうございます!あちらの方はハンカチは使われないのですか?
あまり使っていないわね。
ティッシュを使う人が多いかもしれない。

—ヨーロッパの方はもともと用途としてハンカチで鼻をかんだりしますよね。
私もそうなの。アレルギーもあるしね。
いつも3枚くらいはハンカチを持ち歩いていて…
鼻をかむ用、手を拭く用、包む用とわけて使っているの。

—物心ついた頃はどんなハンカチをお使いだったのですか?
白いガーゼのようなハンカチを使っていたわね。
戦時中は日本語の旧字をちゃんと使うようにという時代だったので、
「こうのあおい」ではなく、「かうのあふひ」と書くようになおされてね。
ハンカチや竹のものさし、ランドセルにも祖母が墨で名前を書いてくれたわ。

あと、幼稚園の頃はハンカチを折って、
上っ張りに安全ピンで留めて、名札代わりにしていたわ。
上っ張りの色は母が選んでくれたすごくきれいなサーモンピンクだったことをいまでも覚えているわ。
そのときはまだ、「こうのあおい」ってかいてあった。笑

—大人も白いハンカチを使っていたのですか?
どうだったかしら…覚えていないわ。
戦後になってからの話で、どこで買っていたのか、
いつ使っていたのかもわからないんだけれども、
私の父はこんな白いハンカチをよく使っていたみたいで、
亡くなってからたくさん出てきたの。
それで、これは枕カバーにちょっと縫ってしまったんだけれども。

g

—それ以降もハンカチは使われていたのですか?
小学校のときは疎開したんですけど、
ハンカチはお弁当をつつんだり、ちょっとケがをしたときとか、
何でも使えるわよね。
ティッシュペーパーはない時代だったからね。
絶対の必需品。私の生活の中で今でもかかせないものね。

父も戦争から帰ってきて絵の具の筆を
切れがないときはハンカチで拭いちゃったりして。
今でもたまにやっちゃうわね。

—小さい頃のことをよく覚えていらっしゃいますね。
どんなお子様だったのですか?

小さい時から不思議なくらい布が大好きなの。
母の押し入れにはいって着物の残り生地とかを
チョキチョキきったりして縫って小物をつくったりしてたの。

今でもちょっとしたものをつくったりするの。

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*恥ずかしそうに見せてくださった、ネコ好きの葵さんならではの愛らしいお手製のピンクッション

—お好きなハンカチの使い方はありますか?
ハンカチでモノを包んでそのままプレゼントとして差し上げるのが好きね。

—ハンカチを選ぶときのポイントはありますか?
色がきれいなのが好きね。あとはデザイン。
大きさなんかはずっとあとね。

—ハンカチはどのくらいお持ちですか?
50枚は持っていると思う。もっとかしら。
引き出し2段で普段使うのと、きれいなものとにちょっとわかれていて。

—今回、swimmie銀座店のハンカチをデザインしていただくにあたって、
どのように進められたのですか?

ハンカチを折ったときにどの面にも模様がでてくるようにという風に聞いたので、
どこから見ても柄がでるようにいうことを大事にしたわね。
いつもそうなのですが、与えられた条件に対して誠実に真面目に答えようとしていて。結果、それができたかは別問題ですが。
実はいろいろな偶然からもできていて、
ちょうど街の絵をよく描いている時期だったのですが、
そのとき銀座を散歩していて、swimmieのお店が銀座にできると聞いていたので、じゃあ銀座の街並をかいたらいいんじゃないかと話が事務所のデザイナーと盛り上がって。
まだハンカチの条件とかも聞いていない時期だったのですが、あの絵ができたの。

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それから、東急プラザ銀座店や鳩居堂なんかも入れてみたらいんじゃないかなと思ってもう一度描いたの。
想像と現実といろいろ混じりあって、ちょっと不思議な感じ。
私はスイスにいたり、日本にいたりするからね。
学生の頃、50年前の銀座と今の建物、スイスの何かが一緒になってしまうのよね。

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—ありがとうございました。
新作のハンカチも楽しみにしています。



葵・フーバー
1936年東京生まれ。東京藝術大学卒業。
スウェーデン王立芸術デザイン大学で学んだ後、1961年にミラノに活動拠点を移し、マックス・フーバーのスタジオでイラストレーションを手がける。
現在までテキスタイル、絵本、おもちゃなどのデザインや絵画制作を行う。
スイス在住。2014年スタジオ・プントビルゴラを東京・東日本橋に設立。

2016.06.03

私の好きなハンカチ episode-11

一番好きなとっておきのハンカチ、つかいかた、思い出など、ハンカチにまつわることを、H TOKYO/swimmieに関わる周辺のひとに、お伺いしていきます。

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11人目はイラストレーターの村田善子さんです。
村田さんは6年前からH TOKYOのハンカチを
一緒に作ってくださっている作家さんです。
独特で面白い村田さんの作品が生まれるその発想のひみつや
ハンカチガールとして育った村田家のことなどをお話しいただきました。

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—今日持ってきてくれたハンカチの好きなところとオススメのポイントを教えてください。
これは真夏にハンカチを忘れてしまって、急遽キオスクで 買ったものです。
「もうこれでいいや!」と思って買ったのですが意外とこのガーゼ感が心地良くて
必要に迫られて仕方なく買った割には、かなり使っています。
どこのメーカーかも分からないですし、ジャーン!と人に見せる
ハンカチでもないのでいま皆さんに見せていることも、お恥ずかしいです〜 笑
こっそり忍ばせて持ってる、ナイショのハンカチ。という感じですね。
タオルケットをつかんでると安心する幼子の気分に近いですかね。

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—こちらは村田さんと一緒に作らせていただいたハンカチですね。
はい。たくさん作らせていただいたのですが 中でもこの女湯を持ってきました。

—でもなぜ女湯を描いたんですか?
なんででしょう 笑
自由なテーマで描かせてもらったので、
その時の描きたいものだったのだと思います。
それまでもシリーズで『女湯』は描いていて、
一度ハンカチにも登場させてみたいと思いました。

YSK01

—村田さんのハンカチは広げる楽しさがありますよね。
広げてもらいたい願望は確かにあります。
畳んだら絵のこの一部分が切り取られてハンカチの顔になるんだなっという
偶然性も楽しいと思います。折り方次第ですね。

—その他も、ラーメンの絵柄や、ハンカチの絵柄にあえて
ハンカチ柄を登場させるなど アイデアも素敵ですね。
何種類も自由に作らせてもらったからこそできたのだと思っています。
初回は6柄くらい作らせてもらいましたが 1〜2枚って言われていたら
固くなっちゃって「ハンカチとは・・・」とかって
考えすぎちゃったんじゃないかなと思うのですが
「こんなに沢山作っていいなら、遊んじゃえ!」みたいな吹っ切った感じでした 笑

—ラーメンはお客様もびっくりしてます。こぼれてる!って 笑
ラーメンはこぼれ落ちてるっていうより 実は波のようなイメージなんです。
「波!きたー!」っていう・・ 笑
自分でもなぜそう思ったのかはわからないんですけど。
※ラーメンハンカチ

—ちなみにこのポーズする人はどんな風に発想しているんですか?
できそうでギリギリできないくらいのポーズを攻めてるんです。
「これは絶対できないでしょ?!」と。
ポーズする人ハンカチ

—そう言った発想はどこから生まれてくるんですか?
生活の中で自然にしみ込んだ描きたいイメージの
『欲』みたいのが、私の中にいくつかあって、そっから引っ張り出して、
それを広げていくみたいな感じです。
パンツを描いたのは 突如友人が、こういうパンツを大きくどーんと描いたら
善子らしさがでて面白いんじゃない?って
ナイスアドバイスをくれて、それで素直に描いてみました。
おおらかな白色ハンカチ

—こちらは女性らしいハンカチですね。
お母さんのハンカチってこんなだったなって。なんか憧れがあったんです。
もらったものかもはや覚えていもいないんです。
使わないけれど、好きなハンカチと言う感じです。
こないだ大量に姪っ子にハンカチをあげてしまったのですが
これはとっておこうと思って残ってた子たちなので 愛着はありますね。

YSK03

—お母さまもハンカチを常にもっていらしたんですね。
はい。やはり母の影響はありますね。
アクセサリー置き場と同じところに入っていたんです。
そこの引き出しはキラキラした印象で そこからハンカチを母は出して使っていたのですごくいいイメージがあります。

—村田さんもハンカチ置き場があるんですか?
小さい頃、私のハンカチは靴下入れと一緒でした。
今もその流れで、靴下と一緒が落ち着きます。
そこを開けて出かける時に、一瞬だけど選びます。
「うーーーん・?・・これだ!」みたいな。
その時の気分ですけど、一瞬ですが悩みますね。

—H TOKYOのハンカチを知ったきっかけはなんですか?
6年前のイベントで一緒になった時に 知り合いになりました。
その後オーナーの間中さんが個展に来てくれて
「ハンカチ作りませんか?」と声をかけてくれたんです。
間中さんはプリントされた私の絵も買ってくれて。
本当に気に入ってくれたんだ!って 嬉しかったのを覚えています。

—「ハンカチ作りませんか?」と言われた時はどうでしたか?
すごく嬉しかったです。本当かなーとも思いましたけど 笑
アイデアのラフ画をいっぱい描かせてもらったんですが
テーマも自由だったので 描きたいものを素直に描かせたもらいました。
パンツ画は間中さんの反応が薄かったですけど 笑

—確かに間中は初め「どうしよう・・・」と不安そうでした 笑
そうですよね。でもマネージャーの大津さんが
すごく気に入ってくれて作らせてもらいました。
その後白パンツに続いて赤パンツも描かせてもらったのですが
白があったら赤もあるべきだ!と思って、ラフ画で打ち合わせする前に
「もう描いちゃいました」みたいな感じで 笑 仕上げてもっていきました。
でも形になるのって色々難しいのに
こんなに自由にやらせてもらって本当にありがたいなって思ってます。

—ハンカチのこだわりはありますか?
愛着かなー。そこにすべてがあるかもしれません。
手触りとかもそこに関わりますし。
ハンカチは絶対長いおつきあいになると思うので
自分に近いかなと思えるものを選ぶようにしています。

—好きなハンカチの使い方はありますか?
広げて使うことも多いです。
おにぎりとかを包んだりすることも多いですね。
自分のハンカチは絵の宣伝にもつかえるので
この人と会うなら、この絵を見せたいなという感じで
選んでいくこともあります。
絵はいつも持っては出掛けられないですが、
ハンカチは畳めて小さくなるので「こういう感じの絵を描いてます」と
見せたいときは助かってます。2、3枚持っていくこともあります。
あと家ではウエストのところに挟んでおくこともあります。
長めに垂らしておくんです。
ちょっと手を拭きたい時とか便利なんですよ。

—ハンカチは何枚お持ちですか?
姪っ子に結構あげてしまったので 今は10枚くらいですね。

—村田さんは常にハンカチを持っているんですか?
はい。もっています。ないと不安です。
ハンカチはカバンに入れていて カバンの中の、
そのまた小袋の中に入れちゃってることもあります。
出す時少し不便なんですけど 笑

—ハンカチの思い出はありますか?
小さい時って車移動の時間が暇じゃないですか?
折り紙みたいにハンカチを折って遊んでいました。
ブラジャーとか 笑 リボンとか。
これを飽きずにやたらとやっていましたね。
それしか作れないんですけど。 お姉ちゃんと二人で「見てみてー」って。

—父の日も近いですが村田さんとお父さんの思い出はありますか?
幼稚園の運動会で騎馬戦があって
お父さんに肩車されて園児たちが赤白帽を取り合うのですが
私もお父さんもちょっと緊張していて
私はそんなに肩車されたこともなかったので父の肩車が不安で不安で。
この父の頭を触っていいのかなーとか分からずすべてがしっくりきていなくて 笑
そして、始まってすぐに帽子を取られてしまったんです。笑
本当は取られたら退場しないといけないのですがそれを父に言えなかったんです。
子供なりに申し訳ない気持ちとか、いろいろあったのかな・・
帽子もないので対戦してもらえないのに ずっと戦う場にいたんです。
取られちゃったことに父が気がついてくれて
「言いなさいよー」って注意されて 笑
不器用な変にギクシャクしてたその感じが、
すごく私とお父さんぽくて 今でもよく覚えています。

—今でもお父さんとは話しますか?
大人になってからの方が仲がいいですね。
よく話すようになりましたし、大好きですね〜
最近はカフェオレを上手に作れるようになっていたり
冷たい緑茶を得意としていたり 笑
初めは疑っていたんですけど、本当に美味しくてびっくりしました。
父は丁寧に大切に手をかけられたお坊ちゃん育ちなのに
その反動なのか独身時代にカップラーメンにはまり、今でも大好きなんですよ。
そういうギャップがあって面白いです。
わたしが仕事でおじさんを描くときはやっぱり父にちょっと似ちゃいます。
裝画のお仕事で遠藤周作を描いた時も結構父似になってました 笑

— お父さんもハンカチを持つ方ですか?
はい。父は「ハンケチ」って言いますね。
そういえば家着のポケットにもいつも入っていました。
いつもハンカチ持っていますね。

—ちなみに今年の父の日はどうしますか?
毎年図書券なんですよ。
本が好きで、本をすごく読む人なので一番喜ぶのは結局それだなって。
あんまり物を好きじゃない人で。

—村田さんと一緒に作らせてもらった「ジョージ」 ワッペンシリーズも
父の日に良さそうですよね。
髭のジョージは指の先に刺繍を入れてもいいですよね。
髭の色も黒髭と青髭がありますし、選ぶの楽しいですよ!笑
私も今年はお父さんにあげてみようかな。
※ジョージワッペンシリーズはオンラインショップでもご注文いただけます。

—ありがとうございました。



村田善子
1977年神奈川生まれ。イラストレーター。
本の装画、雑誌、広告などを主に手掛けている。

2016.05.03

僕の好きなハンカチ episode-10

一番好きなとっておきのハンカチ、つかいかた、思い出など、ハンカチにまつわることを、H TOKYO/swimmieに関わる周辺のひとに、お伺いしていきます。

///

10人目は画家・松井一平さんです。
3月末にオープンをしたswimmie銀座店限定ハンカチなど、
swimmieで数々の魅力的なハンカチをつくってくださっています。
ハンカチがどんな風にうまれているのか制作の背景やハンカチ少年だった頃の話をお伺いしていきます。

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photo:Hiromi Shinada

 

—松井さんと初めてハンカチ制作の打ち合わせをさせていただいたときに、
「小さいころのおねだりはハンカチだったんです」とお伺いしたのが
ものすごく印象的で、運命だ、なんて感じたんです。
小学1-3年生くらいのときに意識的に集めていたんです。
デパートなんかに行くと、すぐハンカチ売場にいっていましたね。
親に買ってもらうもので、一番欲しいものがハンカチだったんです。

—わ!どうしてハンカチだったんですか?
きっかけも、どうしてかも覚えていなくて…
でもとにかくこだわっていたんですよね。
絵や柄が布に印刷されている様が好きだったのかもしれないです。

—どんなハンカチを集めていたのですか?
子供用ではなくて大人用のハンカチで、
柄はチェックが多かったような気もします。
チェックが大人っぽくてかっこいいと思っていたんだと思います。
似たようなチェックばかり集めてました。線の幅が違うだけとか。
水玉も好きでしたね。

—どんな使い方をしていたのですか?
手を拭くくらいでしたね。
実際に使うのは、一部のハンカチだけで…
あとは引き出しに入れて保管していました。
たまに出して来て並べて見て楽しむ、みたいな嗜み方です。
レア盤のレコードを聴くわけでもなく
何種類も集めている人と同じような感じですかね。

—持ち歩くときはポケットに入れていたのですか?
ポケットが膨らむのが小さいころからあまり好きじゃないんです。
カバンに入れて、使うときに出して、乾かしてからまたカバンに戻してました。
拭いた後に、じとっとしたハンカチをポケットやカバンに入れるのが
いやなんです…潔癖ということじゃなくて、
他のものに水分が浸透していくような感じがいやで…
いまだにそういうところは変わってないですね。
今もビニールの袋にいれてからカバンに入れたりします。
なので、カバンの中はいろいろなものを小分けにしがちで
ビニール袋が多いですね 笑

—そのハンカチコレクションは今もありますか?
タンス2段分くらいにまでに集まってしまって、
使わない状態が続いたので、処分するよと家族に言われたので
それならと絵を描くときのウエスにして全うしました。
あんなに小さいころにこだわっていたのに、
そのこだわりがいつの間にかなくなったんですよね。

—収集癖があったりするのですか?
集めてる意識はないんですが、
とくに価値があるわけじゃないものをなんとなくとっておいたら、
いつのまにかコレクションみたいになってしまうことが多いです。
新聞の切り抜きとか、小分けにつかってるレコード屋のビニール袋とか
気になった紙や布や封筒、空き箱とか…。

—小さいころにこだわっていたハンカチを
今はどのように感じたり考えたりしていますか?

小さいころに比べたらこだわりがなくなってしまって…
今はハンカチを忘れてしまっても、トイレにはエアタオルがあったりして、
ハンカチがなくてもわりといけてしまう時代になりましたよね。
それってアナログレコードみたいな感じがありますよね。
絶対ないとダメってことでもなくて、でもハンカチがあるとおもしろい。
エアタオルが発展したおかげで、
ハンカチは拭くだけのものじゃないっていう
新たな時代というか価値ができたのかもしれないですね。
そういう意味でおもしろいことができるんじゃないかって思います。
アナログの強さがある気がします。なんとなく。

—「なつのぜんぶ」ハンカチ以外はswimmieのハンカチ用に
描きおろしていただきましたが、
どんなことを思いながらつくったのですか?
swimmieのコンセプトにあるようなハンカチの可能性をきいて、
平面だけがハンカチのおもしろさではなくて、
縛ったり、ねじったりしてみえてくる柄のおもしろさというのに
刺激されるものがあって、そういうハンカチのおもしろさがでるように、
全面に絵がひいてあって、
でてくる面がどこになってもおもしろく見えるようにつくっています。

ハンカチに限らず、ものをつくるときは、
こういうものが世の中にあったらなぁというものを
選び取ってつくっていくことが多いように思います…オブジェですとか。
確実に世の中のために必要か?といわれると、
そうでもないものが自分にとって大切で。
なかなか一言では言えませんが。普段からそのあたりのことを考えています。
今回も特にハンカチと意識しすぎないで、オブジェのような感覚で制作しました。
どんどんねじったりしてもらいたいです。

—swimmieではハンカチをつかったアレンジ方法もご提案しているのですが、
例えば1枚のハンカチを結んでつくるブレスレットや
2枚のハンカチを結んでつくるネックレスなど

結び具合によって見えてくる柄が変わるので、
毎回違った表情がみれるのも楽しさの一つだと思います。

b

そうですね、僕のハンカチを手にした人で、
その人なりにアレンジをして身につけたりしているのをみると
自分でもあたらしい発見があってハッとさせられます。
手を離れて、他人のオブジェになっていくのがうれしいです。

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Photo/Model:ErikoKushida

 

—銀座店限定のハンカチを依頼させていただいたとき、
松井さんのイメージする銀座を描いてくださいとお願いしましたが、
どんなイメージでしたか?

「銀座」というお題だったんですが、ひとまず「銀座」はおいておいて 笑
飛び込んで次の世界に入っていくというイメージがわいてきて、
それを頭の中で転がしているうちに、
プールのイメージみたいなものが浮かんできたんです。
プールの高い飛び込み台から飛び込むときに見える、瞬間の景色。
しっかり全部をみわたしている景色ではなく、
プールのまわりに生えている草なんかが一瞬にしてまぶたの裏にのこるような、
そんな一瞬の記憶のイメージです。
それで「飛び込み台」って英語でなんていうんだろうと気になって、
辞書で調べたら「springboard」で
「きっかけをあたえるもの、出発点」という意味だったんです。
銀座店のオープンにも合致するし、奇跡的にも偶然つながって、
もどってこれたという感じです 笑

swimmie-m

—絵を描くときは、いつもそのような感じでイメージをするんですか?
そうですね、「ことば」を結構重要としていて、
頭の中で何日かぼーっと転がしたりして組み立てているんです。
「ことば」からイメージを受けることは結構おおくて、
でもあまり説明的になりすぎるのはあまり好きではないので、
感覚的なものの方を大事にしています。
感覚と思考したことが合致するポイントを、あまり触りすぎない程度に。
説明をしないでも、見ただけでなんか感じるようなものが好きです。
今回のようにお題があることは、ある意味興奮することですし、
刺激があるので化学反応がおきます。
お題がなかったら、たぶん描かなかった絵だと思います。
人と関わる上で、そこが創作のキッカケになることがありますし
とてもうれしいことです。

—ありがとうございました。



松井一平
1975年愛知県出身、神奈川県在住。
作品形態を問わず制作している。
レコード・CDジャケットや書籍などの装画も手掛け、多くの個展も開く。
またTEASI、BREAKfAST、わすれろ草、LOCH NESSなどのメンバーとして
音楽活動もしている。

松井さんが手掛けたハンカチ///
白鳥 ISLAND なつのぜんぶ Springboard *swimmie銀座店限定

2016.04.03

僕の好きなハンカチ episode-9

一番好きなとっておきのハンカチ、つかいかた、思い出など、ハンカチにまつわることを、H TOKYO/swimmieに関わる周辺のひとに、お伺いしていきます。

///

9組目は7歳の宙(そら)くんと4歳の隼(しゅん)くん兄弟です。
こどものころはどんな風にハンカチを使っていたでしょうか?
2016年のリアルなこどものハンカチの使い方をお楽しみください。

a

—今日持ってきてくれたハンカチの好きなところと
オススメのポイントを教えてください。
宙:おすすめのポイントはザリガニのハサミ!この柄が好き!
あとはこういう文字がたくさん書いてるのが好き。

—このデザインが好きなのかな?
宙:うん。英語がかっこいい。

b

—他にはありますか?
宙:あとはこの蜘蛛が好き!かっこいい。
これはスタンプで作ったハンカチなんだよ。

—自分でハンカチにスタンプしたのかな?
宙:うん。そうだよ。

c

—宙くんは模様が好きなんですね。
宙:うん。模様がいいハンカチを持ってきた。

e

—隼くんはどうしてこのザリガニのハンカチがすきなんですか?
隼:好きだから!

—他には好きなハンカチありますか?
(ピンクのハンカチを持って)

—どうしてそのハンカチが好きなのかな?
隼:大好きだから!
宙:隼くんはピンクが好きだからだよ。

d

—宙くんは持ってきてくれたハンカチの中ではどれが一番好きですか?
宙:これ!(英語の文字のハンカチを持って)
理由はかっこいいから!

—宙くんはどうやって毎日ハンカチを決めるんですか?
宙:洋服を選んでからハンカチを選ぶよ。

—それは色で選ぶの?柄で選ぶの?
宙:好きなように選ぶよ。かっこいいからとか。

—パパのハンカチも選んであげてるの?
宙:うん。パパのハンカチは服に似合うやつを選ぶ。
隼:隼くんだよ。
宙:僕も一緒についてくけどね。

—隼くんはパパに今日は青っぽいのがいいなーって言われたらその中から選ぶの?
隼:うん

—持ってるハンカチはこれで全部かな?
宙:隼くんはまだあるよ。僕があげたやつもあるもん。
刺繍もしてあるけど、俺が使ってたから俺の名前も入ってる。

—それは隼くんに選ばせてあげたの?
宙:うん。そうだよ。ほんとはあげたくなかったのもあるけど。
ハンカチはたぶん全部で15枚くらい持ってる。

—宙くんはハンカチは毎日持って行く?
宙:いや (照れ笑いしながら)
なんかねーたまに持ってく。

—学校でハンカチ持ってますかって言われないの?
宙:うん。言われないよ。

—隼くんは毎日持って行く?
隼:うん

—それは隼くんが自分で好きなのを選ぶの?
隼:うん

—宙くんはハンカチ無くて不便だなって思うことはないかな?
宙:うーん。ない!

—手を洗ったときはズボンで拭いちゃうの?
宙:うん!それが気持ちいいの 笑

—でもハンカチ持ってるときもあるよね?
宙:うん。あるよ。土日かな。
月から金はハンカチ探す時間がないからだから持って行ってない。

—ハンカチはどういうときに使っているの?
宙:手を洗ったら。でも家ではつかわないよ。外でつかう。
あとはね、パパのハンカチをランチョンマットに使ってる。
学校で給食食べる時ハンカチひいてる。
でね、裏と表がちがうやつ持って行ってる。
表が汚れたら裏が使えるから。

—じゃあ小さいハンカチは毎日じゃないけど、
大きいハンカチは毎日持っているんだね?
宙:うん。給食食べる時に使うからね。

—ハンカチで遊んだりする?
宙:学校でハンカチ落としはやるよ。
あと兄弟遊びでもやるよ。
あとはバナナつくったりとか。

—何歳からハンカチは持ってるの?
宙:4歳ぐらい。

—ハンカチはどうやってしまってあるの?
宙:ズボンと靴下といっしょに引き出しに入ってる。
今はパパの引き出しから持ってきてる。

—ハンカチはズボンのどこのポケットに入れてるの?
宙:うーん。前のポケット。でもお尻のポケットにもいれるときあるよ。

—これから欲しいハンカチってあるかな?
宙:パパが持ってるハンカチ!

—それはなんで?
宙:なんかかっこいいのいっぱいある。

—柄はどんなハンカチ?
こういうの!(シンプルなストライプのハンカチ)

—色は何色が好きなの?
宙:紺、白、青、黒!あと銀もすき。

—これから持ちたいハンカチを3枚選んでみてもらえる?
宙:(3枚選んで)これ。こういうのが好き。好きな色だから。

f

—今日持ってきてくれたのは絵がたくさんだけど今選んだのは随分シンプルだね。
これからはこういうのが持ちたいんだ?
宙:うん。かっこいいからね。

—ありがとうございました。
ハンカチを選ぶ基準は「好きだから!」「かっこいいから!」。
そんなあたりまえだけれど大切な気持ちをを思い出させてくれました。
小学生はハンカチを使わないことも多いようですが
いつかパパの持っているようなすてきなハンカチを持つ大人になってくれたら
わたしたちも嬉しいなと思います。

2016.03.03

私の好きなハンカチ episode-8

一番好きなとっておきのハンカチ、つかいかた、思い出など、ハンカチにまつわることを、H TOKYO/swimmieに関わる周辺のひとに、お伺いしていきます。

///

8人目はアロマスタイリスト・sous le nez(スールネ)田仲千春さんです。
田仲さんは写真や絵、音楽や言葉から感じるイメージや、個々が生まれたときに惑星がどの位置にいたかを示すホロスコープを読み解いたものを、「香り」にして表現をされています。
自分の意識というのは氷山の一角で、その下には膨大な無意識があります。
それを「香り」というツールをつかってアクセスすることによって、
動物的な自分と人間的な自分を繋ぎ、もっと自分を知って、もっと自分を好きになることができる。
それに気づいてもらうための道案内などもされています。

swimmieのコンセプトである「水」その三態である「気体/液体/固体」、
それぞれをイメージした香りのハンカチミストと移香箱のためのハンカチ用オーデコロンを制作していただいてます。

©nishi nozomi
©nishi nozomi


—お持ちいただいたハンカチのお気に入りポイントなどを教えて下さい。

1枚目のハンカチはvivian westwoodのハンカチです。
専門学校の卒業式に持って行くために選んだのか、
素敵なハンカチと思って卒業式に持って行こうって思ったのか、
どちらが先かは忘れてしまったのですが、
自分で意識して選んだ一枚目のハンカチです。
明るい色味なのといろいろな動物が描かれているのも好きなポイントです。
アパレルの専門学校に行っていたので、憧れの気持ちもありました。
あの当時は実用的なタオルハンカチがほとんどで、
大事なときに持っていくという一枚目のハンカチです。
尖ったおしゃれの時代に着ていた服や靴などはもう手放してしまったのですが、
唯一残しておけるハンカチってすごいですね。
今でも変わらず好きで使っている一番つき合いの長いハンカチです。
今回、選んだハンカチが赤ピンクみたいなものが多いんですが、
小さい頃は母が男の子がほしかったということがあって、
男の子みたいに育てられていたので、黒、白、紺、茶みたいな世界だったんです。
自分で初めて赤いものを買ったものかもしれないです。

b


—2枚目のハンカチはどんなハンカチですか?
ここ最近のハンカチなのですが、coci la elleのハンカチです。
これはただ単純に好き。特に色が好きで、頭に巻くことが多いです。
いつも畳んだときに表にする面が決まっています。
あ、今、気づいたんですが、緑とピンクなので、牡牛座の色ですね。
また無意識に選んでたのかもしれないです。
牡牛座的なハンカチですね。

c

—牡牛座的…とおっしゃいましたが、星座にはそれぞれがもっている色や香りというものがあるのですか?
天体が観測された頃から、天体と植物はいろいろな結びつきがあるのですが、
例えば、月は毎日巡ってくる=成長の早いハーブ類、
土星は一周まわるのに30年かかる=成長の時間のかかる樹木、
という風にスピードで割り当てられているものもあります。
それから、神話の世界で金星の神様といったらビーナス。
ビーナスが愛したとされるお花は金星が守っていることにしましょうとか。
あとは、惑星がそれぞれが「湿っている/乾いている」、「暖かい/冷たい」
2種類の組み合わせで全部できています。
例えば月だと「湿っている」「冷たい」という質をもっているので、
キャベツやレタスなどの植物を守っていることにしましょうとか。
植物だけじゃなくて、色や場所、職業、石などいろいろな分担があるんです。
人によって解釈はいろいろで、その中でじゃあどうやって選ぶかというのは、
それぞれの感覚なんです。


—3枚目はswimmieのハンカチですね。
はい。今一番お気に入りで、W.S.をするときは必ず持って行きます。
柄も好きですし、この書いてある言葉は私のことをでしょ?って思ったんです。
ハンカチに言葉が入っているというところも衝撃でした。
この薄手で光沢のある生地感もすごく好きで、
最初に触れたときに本当に綿?と思いました。
このハンカチを持ってたことで、詩を書いたしおいりさんにも偶然会えたんです。
そういう繋がるきっかけにもなったハンカチです。

d


—H TOKYO/swimmieのハンカチを知ったきっかけはなんですか?

sous le nezのHPを作るときに、
sakurafantasmaさんに絵を描いてもらったんです。
その後、sakurafantasmaさんからハンカチが出ましたと聞いたので、
これは買いにいかなきゃと思ってたら、
亀山さん(←インタビュアー)がディレクションをしていて 笑
H TOKYOはその前から知っていました。
メンズだけのハンカチってすごいめずらしいな、かっこいいなと思って、
雑誌かなんかで見たんだと思います。
誰かにプレゼントするときに行ってみたいなと思っていました。


—実は、sakurafantasmaさんを知るきっかけになったのが田仲さんなのです。

ハンカチがもたらしてくれたご縁ですね 笑


—田仲さんといえば、ポルトガル。少し住んでいらっしゃいましたよね。

ポルトガルにはハンカチ文化があるんですか?
あるんですよ。
ラブレターを刺繍した恋文ハンカチというものがあって、
女性が男性に贈るハンカチなんです。
お土産屋さんには大体、刺繍入りのハンカチが売ってます。
ファティマというマリア様が降り立ったといわれる聖地に行ったときに
法王が線画で刺繍されたハンカチがあって、
それを買い付けてきてイベントで販売したところ、すぐに売れてしまいました。
なので、私の手元には一枚もなくてお見せできなくて残念ですが。

恋文ハンカチ
ポルトガルの手刺繍のお店


—好きなハンカチの使い方はありますか?

ひとつは頭に巻くことで、もうひとつは、やはり香りをつけることですね。
この石鹸が、おばあちゃん家のにおいというか、
おばあちゃんと行った銭湯のにおいというか、
なんか古くさい懐かしいにおいが好きで。
ハンカチ置き場に一緒に置いて、ハンカチに香りを移すのが好きなんです。
精油をつけるときもあるんですが、基本はこの石鹸ですね。
乗り物に乗るときは、一気にすっと気持ちよくなるのでペパーミント、
W.S.のときは気持ち落ち着かせるためにパチュリを付けたり、
シチュエーションによって使い分けます。

e


—ハンカチ以外に例えば洋服に香りをつけたりはしないんですか?

しないですね。
洋服に香水を付けると、香りがとれなくて、しんどくなることもあるので、
ハンカチにつけたり、布製のイヤリングにつけたりします。
鼻炎なので、鼻をハンカチでおさえることが多いので、
ハンカチだと一番好きな香りを側で感じることができます。
好きな香りをつけて自分のものだという
マーキングをしているような感じかもしれませんね。


—ハンカチにまつわる思い出はありますか?

もう出会えないハンカチなんですが、
結婚のお祝いに白いシンプルなハンカチに
千春の「C」の刺繍がはいったハンカチをいただいたんです。
もちろん結婚式に持って行って、朝からずっとにぎっていたんですが、
結婚式が終わったらなくなってしまって…
作ってもらったということがすっごくうれしくて、
本当に特別なハンカチだったのに。
もう一度、あのハンカチに会いたいなと思います。
ハンカチ売場に行くと、いつも思い出してしまいます。


—ハンカチのこだわりはありますか?

手触りの気持ち良さや色味ですね。
誰が作ったものかというのは、選ぶポイントになります。
ハンカチはお守りみたいなものなので、ないと落ち着かなくて…
必ず毎日持ち歩きます。忘れたら取りに戻りますね。
小さい頃から、ハンカチは毎日持っていました。
ぬいぐるみ感覚かもしれない。
ずっとにぎっているのがデフォルトで 笑
ポケットとかないと、
いまだに小学生みたいにスカートやパンツにはさんでいます 笑
お守りよりも持ち歩く、本当に身近なものですね。
だから香りもつけたいと思うんですよね。


—ちなみにハンカチは何枚お持ちですか?

20枚くらいです。いただきものが多いですね。


—「気体/液体/固体」それぞれをイメージした香りのオリジナルハンカチミスト
そして、
移香箱のためのハンカチ用オーデコロンを制作していただきましたが、
どのように香りを組み立てられたのですか?
依頼をいただいたとき、
swimmieに関わらせてもらってことがすっごくうれしかったんです。
そして実は、史上最大の難題でした 笑
そもそも水は匂いがないし、それを表現するときに、
それぞれどういう存在なんだろうといろいろ考えました。
気体は動くという存在、固体は動かないという存在、液体はその間の存在。
占星術の基本に活動宮、不動宮、柔軟宮というのがあるんです。
例えば、固体は動かない=不動宮の天体が守護する香り、
気体は動く=活動宮の天体が守護する香り、
液体はその間を取り持つ柔軟宮の天体が守護する香り、
それをベースに、そうではないものも少し入れたのですが、
実は裏テーマに占星術のベースみたいなものがあったんです。
そういうのが伝わったらおもしろいかなと思いました。


ハンカチミストu-2u-3

—ありがとうございました。

今までで一番むずかしい依頼だったとは…
たしかにもともと香りのないものに香りをつけていただきましたが、
作っていただいた香りはどれも「気体/液体/固体」それぞれのイメージが
共感できるものでした。
ぜひみなさまにも体感いただきたいです。

移香箱とハンカチのセット
ルミネ立川2F swimmie POP UP STORE(〜3/15)、
H TOKYO 丸の内店(〜3/14)にてお手に取っていただけます。
また、swimmie online shopでもお取り扱いしております。

いつものハンカチに香りを忍ばせることで、今日一日のお守りとなってくれる。
自然とハンカチを使う所作も美しくなる。
ハンカチを通して鼻からすーっと深呼吸…簡単なリフレッシュにも。
田仲さんのようにハンカチがなくてはならない存在になりますように。
ハンカチを使う楽しみがもっと増えますように。



sous le nez
写真や絵、言葉や音楽を香りで表現する、アロマスタイリスト。生まれた瞬間の星空・ホロスコープを読み解き香りを処方する、ホロスコープスセラピスト。本能に直接アクセスできる嗅覚を用い、物事の奥底に潜むものを香りで表すことを試みる
2007年 AEAJアロマテラピーアドバイザー・インストラクター取得
2012年 カラーセラピスト取得・占星学アロマテラピークラス卒業

◯3月のW.S.のお知らせ
3/5(sat) 10:00-15:30 荻窪「友永ヨーガ学院」
「アロマテラピー・ヨーガ二ドラ」
くつろぎのポーズで意識をもったまま
身体の部位を熟睡しているようにリラックスさせる
ヨガとアロマテラピーのワークショプ

3/21(mon) 10:00-12:00 横浜「green point」
「星と香りワークショップ:番外編」
星座別に花粉症対策のマスクミストを調香するワークショップ
アロマテラピーを使った症状を緩和する方法などお話しします

3/26(sat),27(sun) 9:30-12:00 高円寺「Amleteron」
「触れる香りワークショップ」
触れて読む文字「点字」の仕組みとは?
アロマロトリートメント「肌」に触れることの意味とは?
3つの《触れる》を2日間にわたりお伝えします

2016.02.03

僕の好きなハンカチ episode-7

一番好きなとっておきのハンカチ、つかいかた、思い出など、ハンカチにまつわることを、H TOKYO/swimmieに関わる周辺のひとに、お伺いしていきます。

///

7人目は魚譜画家の長嶋祐成さんです。
今年1月に一緒にハンカチを作っていただきました。
魚を描くその原点とは?など制作にまつわることなども伺いました。

NG02

—お持ちいただいたハンカチの好きなところ、オススメポイントは何ですか?
実はあんまりハンカチもってないんですよ 笑
これは偶然に友達から4〜5年くらい前に誕生日プレゼントにもらったんです。
結構ヘビーに使っているのでシミとかもついちゃってます。
H TOKYOでハンカチを作らせていただくってなって
持っていたハンカチのタグをみたら「ここのだ!」って感じでびっくりしました 笑
すごく生地がしっかりしていて水を良く吸ってくれる感じがすきです。
全然ヘロヘロにならないんですよね。
洗濯した後アイロンしなくてもちゃんと畳んで
持って行かれるのですごくいいですね。
だからヘビーローテーションで使っています。

UO02

—こちらのハンカチも年期が入っていますね。
これは高校生の頃に学校に持って行く用に
母親が買って持たしてくれていたハンカチなんです。
引っ越しの度に脱落せずにずっとついて来たみたいな感じです 笑

—高校生の時もハンカチをちゃんと持って行っていたんですね!
いや、持ってけって言われてたんですよね。
高校生なんて手を洗ってもこうズボンとかで拭く感じじゃないですか?
だから持って行ってもポケットに入れっぱなしだったりとか
だったんじゃないかと思います。
たぶん母親がハンカチ好きだったんですよね。
コレクションブランドのライセンスもので
百貨店で売ってるのを買ってくるみたいな。
なのでいつもは棚にずっと入ったままなので
今日は久しぶりにアイロンをあててひっぱり出してきました。
特に大のお気に入りというわけでも無いんですけど
ずっと手元にあるので思い入れはあります。
母親は「これわたし買うたんや、へえ~」って言うと思いますけど 笑

UO01

—こちらもH TOKYOのハンカチですね。嬉しいです。
はい。これは今回ハンカチを作るお話をいただいて
最初の打ち合わせの後に何か1枚いただいていこうかなと思って
買ったものなんです。
サテンの生地がすごくきれいですし、サイズが大きいのもいいなと思いました。
使いやすかったですし、見た目がすごい好きなんです。
ポケットから出す度に楽しかったので。
これが写真ってすごいですよね。

UO04

—こちらはてぬぐいですか?
はい。以前働いていた「ヒロコレッジ」さんのものです。
僕は洋服の専門学校に行っていたんですが、
卒業制作の審査は現在活躍中の外部の方々が行う仕組みでした。
その審査の時にヒロコレッジのお二人が来ていて。
僕の卒業制作が着物の染め方を取り入れて作ったもので、
就職先が決まっていない僕のことを「ちょっと面白いかも」っていう感じで
拾ってくださって1年間だけ働いていました。
ヒロコレッジの高橋理子さんは明確なコンセプトを
もってものづくりをされている方で、
デザイナーというよりはアーティストとしての考え方を
しっかりとプロダクトに落とし込んでいました。
もちろん、考え方だけでなくもの自体もすごく魅力的でした。
ものづくりや表現の考え方はヒロコレッジのお二人に学びました。

UO03

—「魚の譜」ってはじめて聞いたのですが、ジャンルなんですか?
あれは僕が勝手につけた名前です 笑
「魚譜(ギョフ)」っていうのはもともとあるんですよ。
僕がそれに「の」を入れて「魚の譜(ウオノフ)」と呼んでるんです。
「魚譜」は昔から日本で描かれてきた魚の図鑑のことです。
すごく有名な「魚譜」はいくつかあるんですが、
グラバーという幕末に長崎にいた人が
(スコットランド出身の商人で武器商人として幕末の日本で活躍した人物)
当時の日本の絵師に魚を描かせた図鑑があるんです。
その絵が本当にすごくて。細密さと美しさに驚きます。
グラバー図譜は細密で精確なタイプの魚譜ですが、
他にもちょっと人間みたいな顔をしていたりとか
イメージでデフォルメして描かれたようなタイプのものもあって、
そういうのを全部ひっくるめて「魚譜」と呼んでいるようです。

—もともと魚が好きだったんですか?
はい。もともと魚は好きで。
熱帯魚も飼っていました。
最初に買ったのは実はピラニアでした 笑
小学校低学年の頃、こども向けの漫画図鑑で
「怪獣のふしぎ」っていう本を買ってもらって。
それにはネッシーとか雪男とかツチノコとかの
未確認生物がいっぱい書いてあったんですが、
その中にピラニアとかチスイコウモリみたいな
「実在するって分かっているけれどちょっと怖そうな生き物」っていうのも
ごっちゃにはいっていて。
ピラニアに対する怖いイメージが必要以上に膨らんでたんです。
でも実はピラニアって熱帯魚屋さんで普通に売っているような魚で、
それを百貨店の屋上のペットコーナーで見たときに
「うわ!あのこわいやつがいる!」っ思ってどうしても飼いたくて、
クリスマスに買ってもらったのが始まりでした。

—一番好きな魚はなんですか?
色々あるんですけど「サバ」です。
見た目もいいですし。顔がいいんですよ!
アジとかサンマとかスーパーで見かける
光ものの魚にもいろいろありますが
一番顔がかわいいのがサバだと思っています。
口がかわいいんですよ 笑
あとは身体の断面がまるいんです。筋肉がすごく引き締まっていて。
色もきれいですし、背中の模様もいろいろで、
日本のと海外ので模様が違ったり、日本のサバの中でも個体差があったり。
そういう面白さがあります。
釣ってもたのしいですし、調理するときも
さばきやすい体のつくりで気持ちがいいんです。
だから見た目よし、釣ってよし、さばいてよし、食べてよしの
いろんな楽しみ方をさせてくれる魚だと思ってます。

—魚を描くきっかけはなんでしたか?
そんなわけでこどもの頃に魚飼ったりするのが好きだったので
それを見ていた父親がちょっと釣りに
連れてってやろうかって言ってくれて。
父親も釣りをしたことはなかったんですけど
同じ会社の方がよく釣りに行っていてその方から色々道具を借りました。
その中に本が一冊あったのですが、海の中はどんな様子になっていて
どういうところにはどんな魚がいるかっていうのを
結構デフォルメした感じのイラストで描いてあったんです。
簡単に描いてある小さい魚なんですけど
すごくリアルに特徴を捉えてあって
デフォルメしてあるのに明らかにその魚って分かるような。
こんな絵を自分も描きたいなと思ったんです。
しかも実際にその本に書いてある場所で
そこにいると書いてある魚が釣れるのが面白いなと思って。
そのころよくノートに小さい魚とかを描いてて。それがきっかけです。
小学校5年くらいだったと思います。

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※こちらが実際の本のイラスト

—それからはずっと描いていたんですか?
いえ実は中学校の終わりから高校にかけて徐々に魚から離れてしまって、
大学で実家を出て、その後行っていた洋服の専門学校時代も
魚を飼ったり釣ったりはほとんどしてませんでした。
また魚に触れ始めたのは社会人になってからです。
それも細々と飼っていただけだったんですが、
2008年頃のある日ににちょっと気が向いて、
こどものころにノートに描いていたみたいな魚を
イラストボードにまとめてみようかなと思って描き始めました。

—絵の勉強は特にされていないんですよね。
そうですね。習い事が苦手なこともあって、
きちんと学んだことはありません。
ただ絵を描くのは子どものころから一貫して好きでした。
洋服の専門学校の時も、洋服を作ることそのものよりも
デザイン画を描いたり、作った洋服にペンキで絵を描くというような
ことの方が好きでした。
なので普通のアパレルは就職できずに、なんとかヒロコレッジさんに
拾っていただいたんですが。

—絵は何でかいていらっしゃるんですか?
日本画用の絵の具で、水彩用の洋紙に描いています。
きちんと習ってないので使い方はめちゃくちゃかもしれません。
まずはえんぴつで下描きをして
マスキングインクで輪郭をたどって
はみ出さないようにわくをつくるんです。
そうするとはみ出すことを恐れずに
筆を動かせるので、そんな描き方をしています。

—ハンカチのこだわりはありますか?
つまんない答えですけどよく水を吸ってくれること。
あとは手に取った時にこれ好きだなって思える
見た目であるっていうのは大事だと思います。
手に取るたびに嬉しいですし、手を洗ったあとに
「あ、ハンカチ使おう!」って思う嬉しさがあるので。

—好きなハンカチの使い方はありますか?
普段会社勤めでスーツを着ているんですけど
ジャケットの脇のポケットにハンカチを入れていたんです。
でもなんだか膨らんでしまうのが嫌で。
ある日、取引先のかっこいい男の人がお尻のポケットに
ハンカチを入れていたんです。
その人はちゃんと身体を鍛えているような人で
もともとお尻がキュッとあがっていてたんですけど
よりお尻があがっている感があってなんかいいなと思って。
それで僕もお尻のポケットにハンカチを入れてみると
多少お尻があがった気になるんです。
鏡で見たことは無いので本当に上がっているか
確認したことはないんですけど 笑
でもそんな風に「自分なりの持ち方」ができてから
ハンカチ使いが楽しくなりました。
そうやってハンカチ使うのって楽しいなって
思い始めた時にハンカチを作らないかっていうお話をいただいて、
これはすごくいいタイミングだなって思いました。
あとは会社行くと机の上に出していることが多いです。
見た目が好きだと出しておきたいですし、手汗をかいた時とか拭いたり。
ケータイをハンカチの上に置いて振動を軽減したりもしてます 笑

—ハンカチは何枚お持ちですか?
10枚未満くらいですかね。てぬぐいも6~7枚持っています。

—ハンカチにまつわる思い出はありますか?
昔、そんなにお金に余裕がなかった頃、
何かの記念に妻にプレゼントをしたかったんですが、
あんまりお金がなかったので
何ができるかなと思ってハンカチを贈ったんです。
ハンカチってめちゃくちゃ高価なものでは無いじゃないですか?
でもいろんな選択肢があって、
どれを気に入ってくれるかなと思いながら選ぶ楽しみもありますし、
すごくすきなものがきっと見つかるでしょうし、
それをプレゼントするのはいいなって思ったんです。
ただそれが何の記念のプレゼントだったのか思い出せなくて、
妻ともあれこれ思い返してみたんですが結局分からなかったです 笑
でもそれも含めていい思い出だと思います。

—すてきな思い出ですね。これからもすてきな魚の絵をたのしみにしています。
ありがとうございました。



長嶋祐成 Yusei NAGASHIMA
魚譜画家。魚と一部の水生生物を専門に描く。
2009年からは企業や団体のコミュニケーションデザイン設計・実施に従事。
1983年大阪生まれ。京都大学総合人間学部卒。

2016.01.03

私の好きなハンカチ episode-6

一番好きなとっておきのハンカチ、つかいかた、思い出など、ハンカチにまつわることを、H TOKYO/swimmieに関わる周辺のひとに、お伺いしていきます。

///

6人目はテキスタイルデザイナー・氷室友里さんです。
swimmieで透けているように見える特殊なプリント加工を施したハンカチシリーズをつくっていただいています。

a

—お持ちいただいたハンカチのお気に入りポイントなど教えて下さい。
まずは、このおにぎりハンカチ、3種類です。
学生時代にcoccaのコンペに応募して受賞したハンカチです。
コンペの審査員だったのがアリタマサフミさんで、
そのときにいろいろお話をさせていただいたのですが、
ハンカチが好きだということをお伝えしたら、
ぜひH TOKYOのオーナーさんとお会いするといいといって、
紹介して下さったんです。
なので、H TOKYOと繋がるきっかけとなったハンカチなんです。

—そこでH TOKYOのことを知っていただいたんですね。
実はH TOKYOのことはアリタさんから紹介していただく前から知っていました。
ハンカチが好きだったので、H TOKYOはハンカチ専門店なので、
絶対ひっかかりますよね。
その後、ハンカチ研究会にも参加させてもらったりもして、
今、こうやって関われていることがとてもうれしいんです。

b

—coccaのコンペ用に作ったハンカチなのですか?
もともとは学校の課題で、テーマが「JAPAN」だったのでそれを表現するのに、
ろうけつ染めとおむすびの組み合わせがいいなと思って作ったんです。
丁度、coccaのコンペのテーマも「JAPAN」だったんです。
商品化すると考えるとろうけつ染めではむずかしいので、
プリントでデザインをし直しました。
米粒もひとつひとつを描いていて、手が腱鞘炎になるかと思いました 笑
鉛筆の質感を出したかったので筆圧にも気をつかいましたね。
一週間以上、米粒をひたすら描いてました。
大学生だったんで時間があったんです。

コンペのときに、もう一つアリタさんに見ていただいたのが、
このオパール加工と転写プリントを使った透けて見えるハンカチです。
元々は学校の課題で作ったカーテン用の生地だったので、
窓から覗いている世界をどうしても出したかったんです。
ボルダリングと山登りのリフトの図案です。

c

d

在学中にYUSE DESIGNというユニットで活動をしていて、
そこから出したハンカチなんです。
その時は一枚一枚自作していました…
このハンカチは気に入ってはいただけたのですが、
H TOKYOでは天然素材にこだわっているので、
このままではH TOKYOでは販売できないということだったんです。
その数年後に似たような加工ができる技術が開発されたとお話をいただいて、
現在、swimmieから出ている透明プリントのシリーズが生まれました。

—在学中からいろいろ活動をされていたんですね。
そうですね。
YUSE DESIGNはグラフィックデザイン科の友人と組んでいたので、
テキスタイル以外の付箋なんかも作っていました。
ベーコンやきゅうり、たまねぎがそのままのカタチをしていて、
ノートで挟むとサンドウィッチになるいう付箋だったんです。
Sandwich Tagという名前で一時Amazonとかで販売もしていたんです。
何を思ったか、学生の時は大学を卒業したらフリーで活動をしたい!
と思っていたんです。
それで、在学中にどれだけ自分の実績がつくれるかみたいなものを考えて
商品をつくったり、コンペに出したりしていたんです。

—本当に意欲的で素晴らしいですね。
大学時代は設備を使いたい放題で、自分ががんばれば何でもできるので、
原価とかも考えず、面白いものがたくさん作れたなと思います。
思いついたらすぐできる、スピード感や納得がいくところまで研究ができたり。
もどりたいなーとも思います 笑

—そもそもハンカチのどういうところが好きなんですか?
これくらいのサイズ感でいろいろ持てて、
自分にとってオモチャじゃないんですが、
洋服とはちがって自分の本当に好きなものを持てる気がしていて、
そういう自由さが楽しいので好きなんですよね。
実は大学生のときに一時期、
女性に向けたブランドハンカチブランドを作りたいと思っていたんです。
洋服とはまた違って、似合うかとかマナーとは関係なく、
自分の気分で選べる、一番感情に近い部分というか…
自分がハンカチを選ぶ時は今日一日どう過ごそうか考えて選ぶことが多いんです。
そういう選び方ってすごく楽しいし、
そういう選び方を人に提案したいと考えていたんです。
感情をテーマに、いろいろな色や雰囲気のハンカチを揃えて
選び方を含めて提案するということをやりたかったんです。
今、株式会社スマイルズで働いているんですが、
その面接のときにスマイルズでやりたい事業として
ハンカチブランドの企画書をを自主的に持って行ったんです。
「私はこの会社でハンカチブランドを立ち上げます!」といって入社しました。
その企画書と一緒にサンプルとして持って行ったのがこの赤いハンカチです。
これは、手染めをしたのですが、元気にいきたい時に持つハンカチです。

e

もう一枚は友人の作家・いとうりえこさんのハンカチなんですが、
気持ちに訴えかけてくる、にじみや色合いが好きで、
これはやさしい気分になりたいときに持ちたいハンカチです。
これも気に入っていてよく使っています。

f

—え?!ハンカチブランドが立ち上がるんですか?
いえいえ 笑
それを考えていたときはまだswimmieはなくて、
swimmieが立ち上がったときに、
私がやりたいなって思ってたことをやってくれたと思ったんです。
なので、今はswimmieに関われてたら十分だと思っているので
新しく作る必要はないと思っています。

—swimmieのことをそんな風に思っていただいていたなんて…
うれしいです!精進します。

—最後のハンカチはどんなハンカチですか?
猪熊弦一郎さんのハンカチです。
猪熊さんの絵がすごく好きで、
個展のグッズコーナーですごく気に入って買ったハンカチです。
薄い生地感もキレイで、THE女性が持つハンカチだと思いました。
その1,2年後に、会社の後輩から「氷室さん絶対好きだと思って!」と、
色違いをプレゼントをしてもらって2枚あります。

g

—ハンカチのこだわりはありますか?
モノとしては何でもウエルカムで、かわいいものを見つけたら買いますし、
ハンカチを好きと公言しているのでもらうことも多いです。
選ぶときにその日の自分の気持ちに合わせて選ぶことにこだわっていますね。
作るときは自分の作品の一環としてハンカチも考えているので、
作品を作るときは、常にポジティブだったり楽しい気持ちになってほしいと思って
デザインをしています。

—いつ頃からハンカチが好きなんですか?
小さい頃から女の人がハンカチをさっと出す姿に憧れていて、
「大人~」「すごい綺麗~」って思っていたんです。
そういうシーンが好きでよく覚えていています。
ハンカチ自体が好きというより「大人の女性=ハンカチ」で、
憧れの気持ちが強かったです。
今でも、女性がハンカチを取り出す姿は自然と見てしまします。
大学でテキスタイルを学ぶようになって
このサイズ感で表現できるというのがすごいいいなというのもあって、
徐々に好きな気持ちが膨らんでいきました。

—ちなみにハンカチは何枚お持ちですか?
使っているのは30~40枚くらいですね。
実家に置いてあるのもいれると100枚くらいはありそうです。
今は、自分で作ったものをよく持ち歩いているので、
そのローテーションで使っていますね。
たまに、滅多に出さないものを使ってみたりしたくなります。

—好きな使い方はありますか?
使い方ではないですが、机の上に出しておくのが好きです。
会社に着いたらまずバッグの中からいろいろなものを机に出すのですが、
ハンカチもその一つです。
引き出しの中やポケットではなくて、机の上がいいんです。
あまり深く考えたことはなかったのですが、
見えるところに色があるからいいんですかね 笑

—これからもハンカチ好きによるハンカチのためのデザインを楽しみにしています。ありがとうございました。



YURI HIMURO 氷室友里
テキスタイルデザイナー・アーティスト。
日本とフィンランドでテキスタイルを学び、ハサミでカットして柄をアレンジできる生地や、裏と表で柄が変化するリバーシブルの生地など、オリジナルファブリックづくりを行っている。
2月6日7日 京都布博、3月5日6日 東京布博 に出展予定。

2015.12.03

僕の好きなハンカチ episode-5

一番好きなとっておきのハンカチ、つかいかた、思い出など、ハンカチにまつわることを、H TOKYO/swimmieに関わる周辺のひとに、お伺いしていきます。

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5人目は図案作家のアリタマサフミさんです。
アリタさんはH TOKYOが創業した当初から
一緒にハンカチを作ってくださって来た作家さんです。

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—お持ちいただいたハンカチの好きなところ、オススメポイントは何ですか?
この「プリペアドピアノの子猫ちゃん」は僕のなかでも歴代1位ですね。
先日ハンカチになったばかりの新作です。
僕のアトリエがある町田のsmall villageではよく音楽会が開かれています。
このハンカチはプリペアドピアノともに訪れたすてきな音楽家達を
ちょっぴり不思議な子猫ちゃんに例えて描いたものです。
しっぽがたくさんあるのは数人の音楽家達が
町の明かりを目指している様子を表していて
こういう心象スケッチをハンカチにしていただけることは作家冥利につきますね。

koneko

—どんな風にこの作品は生まれたのですか?
瞬発的にさーっとでてきたんですよ。
いい作品ってさーっと向こうから来てくれる感じがあるんですね。
足の形もピアノっぽくしてあったり
そういうのがホントに滑らかにでてきたんですよね。
子猫ちゃんに憑依されたようにすたすたと出て来た感じです。

—色に関してはどうですか?
色出しは自分でシルクで刷るときも一番のこだわりどころなのですが
今回はまさに理想の色が出せました。
ぼかしの感じも含めて東郷青児さんの美人画の色彩感覚なんですよね。
とびきりのお気に入りです。

—2枚目のハンカチも新作ですよね?
はい。これは伊勢丹限定ハンカチとして作ったものです。
僕はなんかこうレトロ作風が印象づいているようなのですが
実はエレクトロや甘い蜜のようなPOPな世界も好きなんですよね 笑
自分の中にはいつもあるのですが
あまり表には出していないというか、出したとしても実験的な感じですね。
プロダクトではなくカンバスに描くというか。
コツコツ描いているものは奇抜なものが多いです。
今回は僕の中に眠っているアバンポップな要素が出て来て快感でしたね。

kurage01

※クラゲ三部作。ピンクのものが今回ご紹介いただいたハンカチです。

—どんなイメージなんですか?
もともとシンセサイザーの音とか、
電脳的なあるいは仮想宇宙のような世界が好きなんです。
クラゲとは言ってもリアルな描写ではなくて
心象というか行灯のようにも見えると思うんです。
ひとつひとつが月の光を放つ宇宙行灯というか。不可思議な世界です。
それとこれらって何かを生んでいる感じがしませんか?
リキんでぽんぽんぽんと何かを産み落としているような。
それぞれのクラゲが謎めいています。
この作品は表現の幅を広げてくれたように思います。

—有田さんの作品の中でも珍しい色合いですよね?
最初はブルー系から描いていったのですが
この色出しがすごく気に入っていて。
7年間の中で2番目に気に入ってます。
このハンカチをある絵を描く人にみせたら
フランス人とかブロンドの白い肌のひとにあいそうな色だねって
言われたんです。僕にとってまた新しい色でしたね。

—今年はたくさん作品が生まれていますよね?
なんだか今年久々にうわーってきてて。
去年までの自分の作品に「なんか古くね?」って言ってる感じだったんです。
展示会をやっても新作は出さなかったんですよね。
洗練されたものを目指してたんです。
僕が一番派手に作品を出してた若い頃って
何も考えずにばーんと描いてばーんと出して運良くウケたんです。
それでステージが少し上に上がるじゃないですか?
多くの人の目にさらされた時に
それに見合う実力をつけきゃって色々練磨して行って。
でもそれでメジャーになったかっていうとそうではなくって
逆にマイナーになったんですよね 笑
出すところも通受けするような場所でやったり。
それが2006年から描き始めたIzumonesiaシリーズにつながります。
そのあとは描きたい衝動が当分来なくって。

—そうだったんですね。ビックリしました!
ポーカーフェイスですからね 笑
ここで終わりなのかなーなんて思って
今度は新しい作家を応援するようになったんです。
ちょっと隠居かなとか思いながらそっちに力を流していたんです。
大学とか若い世代のクリエイター達との語らいは
新しい発見に満ちていてワクワクするものでした。
だから虚無に陥らずに済んだのかもしれないです。

—アトリエも移されたんですよね?
はい。ものづくり学校から町田にアトリエを移したのも
影響があったと思います。
町田はものづくり学校のように賑やかに集う場所ではないし
隠遁感がハンパ無かったから。少しヤバいなって 笑
でもその反動からか今年はなんだか夏前くらいから
うぁーって来てたんです。
そのことにマネージャーの大津さんが反応してくれて
話が進んでハンカチになって。
そう言う意味ではこのクラゲのハンカチは僕にとって
再スタートなんです。サードウェーブですね。
ファーストウェーブがNew Esperanto Labelで
セカンドウェーブがIzumonesiaシリーズで。
このくらげは金字塔な感じですね。大プッシュです 笑

—3枚目も新作ですね。
はい。12年くらい前からのお付き合いがある
スティールパン奏者の伊澤さん率いる
ワイワイスティールバンドの為に描いたものです。
彼は僕がBEAMSでスティールパンを演奏するときに師となってくれた人です。
彼になにかシンボリックなものを、ということで描きました。

WAIWAI

—どんなイメージで作られたのですか?
こちらもパッと降りてきたんですよね。
町田のアトリエで打ち合わせをしたときに鹿がいたっていうのが大きかったです。
アトリエの窓から鹿が見えるし渡り廊下にクジャクがいて
そういった環境で話をしたのでね。
その夜一気に描き上げました。
スティールパンが宇宙そのもののようでキラキラ輝く星のようなイメージなので
以前描いていたネオンクラゲのスピンオフ版を描いて提供したことがあるんです。
今回はそういう星空から舞い降りて来た鹿ですね。
ロゴで波もイメージしています。

WAIWAI2

※鹿のワッペンもあります。アリタさんお気に入りのチェックのハンカチに。

—H TOKYOのハンカチを知ったきっかけはなんですか?
僕のアトリエがものづくり学校の校長室にあったころ
H TOKYOオーナーの間中さんはその学校の事務局長でもあったので
僕のワークショップに参加してくれたりもしました。
その後僕が展示をやるときにハンカチを作りましょうって話になって。
ちょうどそのとき間中さんがH TOKYOを始めるってときで
声をかけてもらったんですよね。
なのでH TOKYOの創設期から知っています。
間中さんははじめ生真面目なイメージでしたけど
実際知っていくと思ったより奇天烈で面白い人でした 笑

—そこからたくさんのハンカチを一緒に作っていただきましたよね。
そうですね。まずは僕が持っていたデッドストックの生地を
ハンカチにしたいっていうオーダーをもらってそこからはじまりました。
その後は復刻で以前描いた図案をハンカチにしていきました。
それからizumonesia シリーズがはじまって全部ハンカチサイズにリメイクして。
KITTEオープンの時には東京ザウルスも限定のハンカチになって。
これも今日持ってきたかったくらい好きなんですけどね。
前の金字塔という感じです。

arita

—ハンカチのこだわりはありますか?
もともとハンカチに対しては無頓着でした。
でもハンカチで鼻をかんじゃうタイプなんですよね。
だから勝負ハンカチとタフなハンカチを2枚持つようにしているんです。
タフな方で鼻をかんだり、かなり荒い使い方をしてます。
だから何回洗っても丈夫なものを選びます。
勝負ハンカチの方はデットストックの不思議な柄のものとか
FUKUZOとかのベタなブランドのものとか
昔のヨーロッパのインチキアニメのものとか
ウケ狙いのものも持つようにしてます。

—「ウケ狙い」いいですね。
ウケを楽しむというか出した時に笑かすためのしかけのハンカチですね。
おちゃめっぷりをチラつかせたいというか。
少し斜めから笑かしたいみたいな 笑
だから結構昔から衝動買いとかもしてました。

—ハンカチは何枚お持ちですか?
自分のものと買い集めたもので50枚くらいは持っています。

—ハンカチにまつわる思いではありますか?
ハンカチに対して色艶のある話はないんですよ。
本当はベンチがぬれてたりとかした時に
そこにハンカチを敷いてあげたりしてみたいですよ。だから願望はありました。
自分の分身できれいな自己犠牲ができるというか 笑
しかも洗濯されていいにおいになって返って来たりしたらまたいいですよね。
そういうのがいいなってうんと若い頃妄想してました。
でも残念ながらリアルにはなりませんでしたけどね 笑

kako

—これからも宜しくお願いします。ありがとうございました。




アリタマサフミ
世界各地のフォークロアや宇宙観、電子音楽、民俗学や風俗史を題材に
テキスタイル図案やグラフィックデザインを展開。

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